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公開日 │ 2025年07月31日
親の位牌を注文するときの7つのポイント!親の位牌の重要性も解説
もくじ

葬儀社や仏具店などで注文できますが、期間に余裕を持って内容確認をしっかりおこなわないと、位牌を適切に仕上げられない可能性があります。今回は、親の位牌を注文するときの7つのポイントを解説します。親の位牌の重要性についても解説するので、ご参考にしてください。
1.親の位牌の重要性
親の位牌は、ご逝去されたご両親の御霊(みたま)を、永代にわたりお祀りするための重要な仏具です。位牌は、故人様が仏様となられた証であり、ご遺族がご両親と日々向き合い、語りかけるための心の拠り所となります。親の位牌に関して、「そもそも必要なのだろうか」と疑問に思われる方がいらっしゃるかもしれません。
位牌がなくてもご両親を供養することはできますが、位牌があることで日々の暮らしの中で親の存在を、より身近に感じられるのではないでしょうか。仏壇や位牌に向けて手を合わせることで、ご両親に感謝の気持ちを伝えたり、思い出を振り返ったりすることもできます。位牌を通じて、ご両親への感謝と敬意を払い、深い愛情を心に留めることができるのです。親の位牌は、ご家族の絆と歴史を未来へと継承していく、かけがえのない存在といえるでしょう。
2.親の位牌を作るときの7つのポイント
親の位牌を作るときは、期間に余裕を持って、内容に誤りがないよう慎重に確認しながら進めることが大切です。故人様の生前のご意向を尊重し、ご予算を定めて、適切なものを選ぶようにしましょう。 親の位牌を作るときの7つのポイントを解説します。
2-1.宗派による違いを確認する
位牌は宗派によって、適切な種類や形式、文字入れの方法などが異なる場合があります。 浄土真宗では位牌を作らず、「過去帳」や「法名軸」を用いるなど、宗派によっては位牌を注文するべきではないこともあるのです。位牌を注文するときは、必ず親の宗派を明確にしましょう。 宗派の判明後は、僧侶や葬儀社に相談をし、注文しようとしている位牌の種類や形式、文字入れなどの方法が適切であるかを確認することが大切です。
2-2.制作期間を確認して早めに注文する
位牌は、四十九日法要までに用意しなくてはなりません。 故人様の魂を位牌に宿す「魂入れ」や「開眼供養」の儀式は、四十九日法要の後に執り行うのが一般的であるからです。位牌の制作には、文字入れを含めて約2週間ほどかかります。 手彫りや特殊な加工を施す場合は、さらに日数を要することもあります。
四十九日法要に間に合わせるためには、ご葬儀後、できる限り早く位牌選びを始めることが大切です。
2-3.ご予算を立てて費用を確認する
位牌を作るのに必要な費用は、種類や素材、サイズ、文字入れの方法によって大きく異なります。 一般的に、最も伝統的な種類である「漆塗位牌」や、石川県輪島市の伝統工芸品である輪島塗の技法を用いた「輪島塗位牌」は、費用が高い傾向にあります。 費用が低い傾向にあるのは、銘木の木目を活かした「唐木位牌」や、現代的な形状の中に和のテイストを融合させたモダン位牌です。
ただし、位牌の費用は文字入れの方法などによっても異なるため、種類だけで判断せず、実際のお見積り時にご検討ください。 事前にご予算を立てられれば、葬儀社や仏具店の担当者と相談しながら、ご予算内で故人様にふさわしい位牌を選ぶことができます。
2-4.サイズを考慮する
位牌は、仏壇のご本尊の手前に安置するのが一般的です。 ご本尊(仏像や掛軸)よりも背が高くならないように、サイズを考慮しましょう。また、既にお祀りされているご先祖様の位牌がある場合は、バランスに配慮することも大切です。
ご先祖様の位牌よりも大きな位牌は作らないのが、一般的な慣習です。 仏壇の寸法は必ず測り、適切なサイズの位牌を注文しましょう。
2-5.種類を知って慎重に選ぶ
位牌には、主に以下の種類があります。
- 漆塗位牌(うるしぬりいはい)…木地に漆を幾重にも塗り重ねて金粉などで装飾を施した最も伝統的なもの
- 唐木位牌(からきいはい)…黒檀や紫檀といった銘木の木目を活かしたもの
- 面粉唐木位牌(めんふんからきいはい)…唐木位牌の一種で黒檀や紫檀の銘木を素材に使用し表面に金粉(面粉)の装飾を施したもの
- 輪島塗位牌(わじまぬりいはい)…石川県輪島市で生産されている伝統工芸品「輪島塗」の技法を用いて作られたもの
- 呂色位牌(ろいろはい)…漆塗りの中でも特に高度な「呂色仕上げ」が施されたもの
- モダン位牌…現代的な形状の中に和のテイストを融合させたもの
- 蒔絵位牌(まきえいはい)…漆の表面に美しい会津蒔絵が施された現代的なもの
位牌には、伝統的な漆塗位牌や、木目の美しい唐木位牌、現代の住空間に調和するモダン位牌など、様々な種類があります。 故人様のお人柄やご家庭の雰囲気に合わせて、慎重に選びましょう。
2-6.戒名などの文字入れは入念に確認する
位牌には、故人様の戒名や俗名、没年月日などの文字が刻まれます。 位牌に刻まれる文字は全てご両親のとても大切な情報で、一文字の誤りも許されません。 文字入れの依頼をするときは、白木位牌(仮の位牌)に記載された情報を正確に伝え、納品前にレイアウト案を入念に確認しましょう。
2-7.夫婦位牌も検討する
ご両親のどちらかが先にご逝去された場合、「夫婦位牌(めおといはい)」を検討することも選択肢の一つです。 夫婦位牌とは、一つの位牌に夫婦の戒名などを並べて記す位牌のことです。
故人様がご夫婦で永く共にいらっしゃることを願い、故人様の生前のご意向に配慮したうえで、ご遺族が選ばれることがあります。 夫婦位牌は、仏壇のスペースを有効に活用できる利点もあります。 ご両親のご夫婦としての絆を大切にしたいとお考えの場合に、ご検討ください。
親の位牌を作るときは期間に余裕を持って入念に種類を選びましょう(まとめ)
親の位牌は、ご逝去されたご両親の魂が宿り、ご遺族が日々を共にする心の拠り所となる大切な存在です。位牌がなくても供養はできますが、手を合わせる具体的な対象があることで、ご両親の存在をより身近に感じ、家族の絆と歴史を未来へ繋ぐことができます。親の位牌を注文するときは、7つのポイントを考慮しましょう。
まず、宗派による違いを確認し、四十九日法要に間に合うよう約2週間の製作期間を考慮して早めに注文します。費用は種類や素材で大きく変わるため、予算を立てて見積もりを確認しましょう。仏壇のご本尊やご先祖様の位牌より大きくならないようサイズを考慮し、漆塗、唐木、モダンなど種類を知って、慎重に選びます。
特に重要なのは、戒名などの文字入れの入念な確認です。また、ご夫婦で一つにまとめる夫婦位牌も選択肢の一つです。期間に余裕を持って、故人様への感謝と敬意を込めた最適な位牌をお選びいただくことをおすすめいたします。