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公開日 │ 2025年09月26日
位牌の魂入れは必要ない?依頼先・タイミング・準備と流れを解説
もくじ

魂入れを執り行わないと、故人様の魂を位牌に宿すことができなくなってしまいます。今回は、位牌の魂入れが重要な理由を解説します。位牌の魂入れの依頼先や依頼のタイミング、準備と流れ、注意点も解説するので、ご参考にしてください。
1.位牌の魂入れとは
位牌の魂入れとは、故人様の魂を位牌に宿らせるための儀式のことです。「開眼供養(かいげんくよう)」や「御霊入れ(みたまいれ)」とも呼ばれます。位牌の魂入れの儀は、菩提寺の僧侶によって執り行われるのが一般的です。この儀式によって位牌は礼拝の対象となり、故人様を供養する拠り所となります。
1-1.位牌の魂入れが重要な理由
位牌の魂入れが重要な理由は、儀式によって、位牌が故人様の魂が宿る「依り代(よりしろ)」となることにあります。 依り代とは、神仏や先祖の霊が天から降りてくる媒体のことです。 魂入れがされていない位牌は、単なる木の札であり、供養の対象とはなり得ないと考えられています。
位牌は魂入れをすることで、故人様の魂が宿る神聖な依り代となり、日々の供養の対象となるのです。位牌は仏壇に安置するため、ご遺族と故人様が日々向き合うための、具体的な拠り所にもなります。
また、多くの仏教宗派では、位牌や仏壇などを新しく用意した際に魂入れを執り行うことが、重要な慣習とされてきました。位牌の魂入れを省略することは、親族間でのトラブルにつながったり、菩提寺との関係に影響が出たりする可能性があります。
宗教的な慣習を尊重するためにも、魂入れは大切な儀式であるといえます。
2.位牌の魂入れの依頼先
位牌の魂入れは、菩提寺の僧侶に依頼するのが一般的です。菩提寺とは、ご先祖様のお墓があるお寺のことです。 日頃からお世話になっているお寺であれば、安心してご依頼できるかと思います。菩提寺がない場合は、葬儀社に相談して、お寺を紹介してもらうこともできます。
2-1.位牌の魂入れのお布施
位牌の魂入れの儀を執り行う際は、お布施を包まなくてはなりません。
お布施は、魂入れの儀式を執り行ってくれる僧侶に対して、感謝の気持ちを表すものです。位牌の魂入れのお布施の金額に明確な決まりはありませんが、宗派や地域の慣習、菩提寺との関係性によってそれぞれ相場が存在します。不安な場合は、事前に菩提寺や葬儀社に相談することを推奨いたします。
3.位牌の魂入れのタイミング
位牌の魂入れの一般的なタイミングは、四十九日法要の際です。新たな位牌や仏壇を購入した際にも、魂入れの儀を執り行います。位牌の魂入れのタイミングを詳しく解説します。
3-1.四十九日法要
位牌の魂入れの儀式は、四十九日法要にて執り行われます。 故人様がご逝去された直後に準備するのは、葬儀から四十九日法要までの仮の位牌である「白木位牌」です。四十九日法要の忌明けとなるタイミングで、仮の白木位牌から永代にわたりお祀りする本位牌へ、故人様の魂を移し替える魂入れの儀式を執り行うのが一般的です。四十九日法要までに本位牌を用意できるよう、葬儀後はできる限り早めに準備を始めることが大切です。
3-2.新たな位牌の購入時
新たな位牌や仏壇を購入した際も、魂入れの儀式を執り行います。古い位牌や仏壇に対しては、「閉眼供養(へいがんくよう)」という儀式を執り行います。古い位牌や仏壇から新しい位牌や仏壇へ、故人様の魂を移し替える儀式が「閉眼供養」と「魂入れ(開眼供養)」です。
4.位牌の魂入れの準備と流れ
位牌の魂入れは、注文、日程決め、お供え物や仏具の準備、と進めていきます。注文から儀式当日までの大まかな流れを、事前に把握できると安心です。位牌の魂入れの準備と流れを詳しく紹介します。
4-1.位牌を注文する
位牌の注文は、四十九日法要に間に合うよう、葬儀を終えたら早めに行いましょう。位牌の種類や文字入れの方法にもよりますが、注文から納品までには約2週間ほどの期間を要します。
位牌の注文は、葬儀社や仏具店に依頼するのが一般的です。故人様のお人柄やご家庭の雰囲気に合うよう、宗派や地域の慣習、仏壇とのバランスを考慮しながら、慎重に選ぶことが大切です。
4-2.魂入れの儀の日程を決める
魂入れの儀は、四十九日法要の日程と合わせるのが一般的です。僧侶に魂入れを依頼する際は、事前に連絡を取り、日程や場所、お布施の金額などを確認しましょう。本位牌の準備が間に合うかの確認も必須です。
4-3.お供え物や仏具を準備する
魂入れの儀では、僧侶に読経していただくための仏具やお供え物を準備します。具体的には、本位牌、白木位牌、香炉、ロウソク立て、生花、お線香などです。
お供え物には、故人様が生前お好きだったものや、季節の果物、お菓子などを用意しましょう。
5.位牌の魂入れの注意点
位牌の魂入れの注意点は、白木位牌はお焚き上げで処分することです。魂入れの儀では礼服を着用するなど、マナーにも配慮しましょう。位牌の魂入れの注意点を解説します。
5-1.白木位牌はお焚き上げで処分する
白木位牌とは、故人様がご逝去されてから四十九日法要まで用いる、仮の位牌のことです。四十九日法要で本位牌に魂入れが執り行われましたら、白木位牌は役目を終えます。とはいえ、白木位牌は一時的ではありますが、故人様の魂が宿っていた神聖な仏具です。白木位牌は、一般ごみとして処分するのではなく、お焚き上げで供養しましょう。 お焚き上げは、菩提寺や葬儀社に依頼できます。
5-2.魂入れの儀では礼服を着用する
魂入れは、故人様の供養のための大切な儀式です。 魂入れの儀に参列する際は、正式な礼服を着用するのがマナーです。 男性はブラックスーツ、女性はブラックフォーマルを着用しましょう。魂入れの儀は一般的に四十九日法要の際に執り行われるため、法要に参列する際の服装のままで構いません。
位牌の魂入れは故人様を供養するための大切な儀式(まとめ)
位牌の魂入れは、故人様の魂を位牌に宿らせ、礼拝の対象とするための重要な儀式です。この儀式を執り行うことで、位牌は単なる木の札ではなく、故人様とご遺族を結ぶ大切な「依り代」となります。魂入れは「開眼供養」とも呼ばれ、一般的には菩提寺の僧侶に依頼します。
位牌の魂入れは、四十九日法要の際に執り行われることが多いため、法要に間に合うよう、葬儀を終えたら早めに本位牌を準備しましょう。儀式に際してはお布施を用意し、お供え物や仏具を準備します。
また、本位牌への魂入れによって役目を終えた仮の位牌である白木位牌は、一般ごみとして処分するのではなく、お焚き上げで供養するのが望ましいとされています。故人様への感謝と敬意を形にし、家族の絆を未来へとつなぐためにも、位牌の魂入れは欠かせない儀式といえるでしょう。