マナー
公開日 │ 2025年06月20日
葬儀のお礼状はいつ出す?書き方や文例を徹底紹介
もくじ

葬儀のお礼状を送るタイミング
葬儀のお礼状は、四十九日法要の後に送るのが一般的です。 仏教では、四十九日をもって「忌明け(きあけ)」となるからです。 お礼状は早く出したほうがいいとお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、葬儀の直後にご遺族が抱える負担は計り知れないものです。
四十九日後の忌明けのタイミングでお礼状を送ることで、ご遺族は葬儀後に慌てることなく、心を落ち着かせた状態で、参列者に対して感謝の気持ちを伝えられるでしょう。ただし、葬儀のお手伝いをしていただいた方々へは、感謝の気持ちをより早く伝えるために、葬儀後あまり間を置かずに個別にお礼を述べたり、お礼状を送ったりすることもあります。
1-1.葬儀のお礼状を送る相手
葬儀のお礼状は、故人様との最期のお別れに際し、お心遣いをいただいた皆様へ送るものです。
具体的には、葬儀にご参列くださった方、弔電や供花をお送りくださった方、葬儀の運営にご協力いただいた方や受付係の方などにお送りします。故人様が生前お世話になった、医療機関の関係者様などにお送りすることもあります。
葬儀のお礼状を送る際は、お相手との関係性や葬儀への参列の有無などを踏まえて、適切な文章表現となるよう気を配りましょう。
葬儀のお礼状の書き方
葬儀のお礼状では、故人様への敬意と参列者への感謝を込めて書かなくてはなりません。 一般的な葬儀のお礼状の構成や慣例を把握したうえで、文章をしたためることも大切です。 葬儀のお礼状の書き方を順序立てて解説します。
2-1.頭語
葬儀のお礼状では、頭語として冒頭に「拝啓」や「謹啓」などと記すのが一般的です。 頭語には、「謹んで申し上げます」という意味合いがあります。
ただし、葬儀のお礼状では頭語を省略することもあります。頭語を省略する理由は、儀礼的な表現を避けてすぐに本題に入ることで、率直な感謝の気持ちを表現できるからです。頭語は記しても省略しても構いませんが、書いておくと丁寧な印象を与えられます。
2-2.書き出し
葬儀のお礼状に、時候の挨拶は不要です。書き出しでは、故人様の葬儀へのご会葬やご厚志に対する感謝の言葉を、以下のように述べます。
例 「故 〇〇(故人様のお名前)儀 葬儀に際しましては ご多用中にもかかわらず 遠路はるばるご会葬いただき 厚くお礼申し上げます」 句読点は使わないのが、葬儀のお礼状のマナーです。
2-3.本文
葬儀のお礼状の本文では、弔問や香典への感謝、葬儀が滞りなく執り行われたことの報告、今後のお付き合いのお願いを述べます。
故人様が生前賜ったご厚情への感謝の気持ちを述べ、葬儀にご参列いただいた皆様への配慮を表現することが大切です。忌み言葉や重ね言葉を使わず、簡潔かつ丁寧に感謝の気持ちを表現しましょう。
2-4.結語
葬儀のお礼状で冒頭に「拝啓」や「謹啓」などの頭語を記した場合は、結語として本文の最後に「敬具」や「謹白」と記します。結語は頭語とセットで記すものであるため、「さようなら」、「それではまた」といった挨拶にあたります。頭語を記さない場合は、結語も記しません。
2-5.日付・住所・氏名
葬儀のお礼状の最後には、お礼状を作成した日付を明記し、喪主の住所と氏名を記載します。 連名でお礼状を出す場合は、「親族一同」などの文言を添えることもあります。
葬儀のお礼状の文例
葬儀のお礼状を書くときは、文例を参考にすることで、適切な文章表現をイメージできるかと思います。 文例は、葬儀のお礼状が葬儀のご参列・香典・供花や弔電、何に対してであるのかによって、内容が変わります。
葬儀のお礼状の文例を紹介します。
3-1.葬儀のご参列に対するお礼
謹啓
故 〇〇(故人様のお名前)の葬儀に際しましては ご多忙中にもかかわらず遠路ご会葬賜り 厚く御礼申し上げます おかげさまで滞りなく葬儀を執り行うことができましたこと 謹んでご報告申し上げます
故人が生前賜りましたご厚情に深く感謝いたしますとともに 今後とも変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます
まずは書中をもちましてご挨拶申し上げます
敬具
令和〇年〇月〇日
喪主 〇〇〇〇
3-2.香典に対するお礼
謹啓
故 〇〇(故人様のお名前)の葬儀に際しましては ご丁寧なご厚志を賜り誠にありがとうございました
おかげさまで滞りなく葬儀を執り行うことができましたこと 謹んでご報告申し上げます つきましては供養のしるしまでに心ばかりの品をお送りいたしました 何卒ご受納くださいますようお願い申し上げます
故人が生前賜りましたご厚情に深く感謝いたしますとともに 今後とも変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます
まずは書中をもちましてご挨拶申し上げます
敬具
令和〇年〇月〇日
喪主 〇〇〇〇 親族一同
3-3.供花や弔電に対するお礼
謹啓
故 〇〇(故人様のお名前)の葬儀に際しましては ご鄭重なるご供花(または弔電)を賜り 誠にありがとうございました
おかげさまで滞りなく葬儀を執り行うことができましたこと 謹んでご報告申し上げます 皆様のお心遣いに深く感謝いたしますとともに 故人もさぞかし安らかに旅立つことができましたことと存じます
今後とも変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます
まずは書中をもちましてご挨拶申し上げます
敬具
令和〇年〇月〇日
喪主 〇〇〇〇 親族一同
葬儀のお礼状を書くときのマナー
葬儀のお礼状は、縦書きで書くのが一般的なマナーです。句読点を使わず、忌み言葉や重ね言葉に配慮することも大切です。葬儀のお礼状を書くときのマナーを解説します。
4-1.縦書きで書く
お礼状は、縦書きで書くのが伝統的なマナーです。
葬儀や弔事に関する文章においては、故人様への敬意を表すとともに、厳粛な雰囲気を重んじることが大切です。縦書きの書式は、日本の伝統的な美意識に通じています。
近年では横書きの便箋もよく使われていますが、弔事においては縦書きが適切であるといえます。
4-2.句読点を使わない
葬儀のお礼状では、句読点を使用しないのがマナーです。句読点を使わない理由は、「滞りなく儀式を終え、ご縁が途切れることなく続いていくように」という願いが込められているからです。一文が長くなる場合は、句読点ではなく改行やスペースを効果的に活用し、読みやすさを保つよう心がけましょう。
4-3.忌み言葉や重ね言葉に配慮する
不幸が繰り返されることを想起させる「重ね言葉」や、不吉な印象を与える「忌み言葉」の使用は避けるのがマナーです。具体的には、「重ね重ね」や「たびたび」などが重ね言葉で、「死亡」や「生きる」などが忌み言葉の例です。弔事に適切な、丁寧な言葉遣いを意識しましょう。
葬儀のお礼状は参列者に感謝の気持ちを伝えるための大切なもの(まとめ)
葬儀のお礼状は、故人様へのご厚情に対し、ご遺族が感謝の気持ちを伝える大切な手段です。一般的には、四十九日法要を終え、忌明けとなるタイミングで送るのが慣例とされています。
ご遺族が心落ち着いた状態で感謝を伝えられるよう、配慮する意味合いもあります。お礼状の書き方には、頭語や結語の使用(または省略)、時候の挨拶の省略、句読点を使わない、忌み言葉や重ね言葉を避けるなど、特有のマナーがあります。葬儀のお礼状の本文では、ご会葬やご厚志への感謝、葬儀が無事に執り行われた報告、今後のお付き合いをお願いする言葉を簡潔かつ丁寧に述べましょう。
参列者、香典をくださった方、供花や弔電をいただいた方など、関係性に応じた文例を参考に、故人様への敬意と温かい感謝の気持ちが伝わるお礼状を作成することが大切です。