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公開日 │ 2025年05月29日
「この度はご愁傷様です」は葬儀の場で適切?返事の仕方も解説
もくじ

ただし、この言葉は皮肉やからかいの意で悪用されることがあることから、葬儀の場では相応しくないのではと悩まれている方が多いようです。今回は、「この度はご愁傷様です」という言葉は葬儀の場で適切であるかについて解説します。言われたときのお返事の仕方やお悔やみの言葉を伝えるときの注意点も解説するので、ご参考にしてください。
1.「ご愁傷様」の意味
「ご愁傷様」は、深く悲しむ、心を痛めるという意味の「愁傷」に、「ご~様」という敬意表現が付いたお悔やみの言葉です。一般的に、相手の不幸や災難に対して、お悔やみの気持ちを伝える際に用いられます。
「ご愁傷様です」には、「この度はお辛いことでございましたね」、「心中お察しいたします」といった想いを込めます。
故人様を亡くされたご遺族の深い悲しみに寄り添い、慰める気持ちを表す、丁寧な言葉です。
2.「この度はご愁傷様です」はどんなときに使う言葉?
「この度はご愁傷様です」という言葉は、口語としてはもちろん、メールで使っても失礼にはあたりません。他の言葉でも言い換えできるため、表現として気になる方は、他の言い回しを検討するのも選択肢の一つです。また、注意点として、この言葉が皮肉やからかいの意で悪用されることがある点には留意する必要があります。「この度はご愁傷様です」という言葉の使い方を解説します。
2-1.メールで使っても失礼にはあたらない
「ご愁傷様です」という言葉は、口語表現です。 基本的には、葬儀や弔問で直接ご遺族にお会いした際に、お悔やみの気持ちを伝える言葉として使われます。しかし、近年ではメールやLINEなどのチャットアプリを通じて、訃報や弔意を伝えることが増えています。
「ご愁傷様です」は口語ですが、メールやLINEなどのチャットアプリ上のメッセージで使うことも現代では一般的になっており、基本的に失礼にはあたりません。ただし、メールやLINEなどのチャットアプリの場合は、「ご愁傷様です」よりも「この度は心よりお悔やみ申し上げます」といった言葉を使うほうが、丁寧な印象になります。
特に、目上の方に返信する場合は、口語と文語を意識し適切な言葉を使うことが大切です。
2-2.他の言葉でも言い換えられる
「ご愁傷様です」という言葉は、「ご冥福をお祈りします」や「哀悼の意を表します」などと言い換えられます。弔事のどのような場面でも使える言葉としては、「この度は心よりお悔やみ申し上げます」が適切です。
故人様やご遺族との関係性が親しい場合は、「大変でしたね」、「お辛いですね」といった、相手の気持ちに寄り添う言葉を選ぶこともあります。大切なのは、形式的な言葉を使うことだけでなく、故人様を偲び、ご遺族の悲しみに寄り添うという真心をお伝えすることです。
2-3.皮肉やからかいの意で悪用されることがある
「ご愁傷様です」という言葉は、本来は相手の不幸や悲しみに対して心からお悔やみ申し上げる、弔事での丁寧な言葉です。しかし、残念ながら近年では、インターネット上や日常会話の中で、相手の失敗や不運を皮肉ったり、からかったりする際に、否定的な文脈で悪意をもって使われることがあります。
このような使い方が稀に見受けられることから、「ご愁傷様です」という言葉を弔事で使うのは失礼にあたる、という誤った見識が一部で広がってしまっているのです。「ご愁傷様です」という言葉は、本来、相手の悲しみを深く憂い、心から気遣っていることを表す丁寧な表現です。
本来の言葉の意味を理解し、特に故人様を悼むフォーマルな場である葬儀においては、正確な意味で適切に使うよう配慮する必要があります。
3.「この度はご愁傷様です」と言われたときのお返事方法
葬儀の参列者の方から「この度はご愁傷様です」とお悔やみの言葉をかけていただいた際は、「恐れ入ります」や「痛み入ります」とお返事するのが一般的です。参列・弔問してくださったことへの感謝の気持ちを伝えるために、「お心遣いありがとうございます」と添えることもあります。
故人様が生前お世話になった方に対しては、「生前は◯◯(故人様のお名前)が大変お世話になりました」といった言葉を添えるのも良いでしょう。遠方からお越しいただいた方には、「遠方よりお越しいただき、ありがとうございます」と感謝を伝えるとより丁寧な印象になります。
4.お悔やみの言葉を伝えるときの注意点
お悔やみの言葉を伝えるときの注意点は、不幸が繰り返されることを連想させる「重ね重ね」、「度々」といった重ね言葉や、「追って」、「またまた」といった忌み言葉を使わないことです。「死亡」や「急死」など、死を直接的に表現する言葉も避けましょう。
ご遺族に対して、故人様の死因を尋ねないよう配慮することも大切なマナーです。お悔やみの言葉は、長々と話さず簡潔に済ませるのが基本です。ご遺族の方は対応に追われていることが多いため、負担にならないよう配慮しましょう。
「この度はご愁傷様です」は葬儀の場で適切な表現(まとめ)
「この度はご愁傷様です」という言葉は、故人様を亡くされたご遺族の悲しみに寄り添う、弔事の場に相応しいお悔やみの言葉です。
皮肉などで用いられることもありますが、本来は弔意を表す丁寧な表現です。ご遺族としてこの言葉をかけられた際は、「恐れ入ります」や「痛み入ります」とお返事するのが一般的です。
お悔やみの言葉を伝える側としては、「重ね重ね」や「度々」といった不幸が重なることを連想させる言葉や、直接的な死の表現は避けましょう。
また、ご遺族への配慮として、長々と話さず簡潔に伝えることも重要です。形式的な言葉を意識するよりも、故人様への追悼の気持ちと、ご遺族への真心を込めて表現することが大切です。