通夜
公開日 │ 2021年10月08日
更新日 │ 2024年06月04日
お通夜にふさわしい服装とは?細かなマナーを徹底解説
もくじ
突然の訃報を聞きつけて、万全の準備を整える間もなく急にお通夜への参列が決まることもあります。そうした際に、遺族や他の参列者へ失礼のないように、しっかりと服装や身だしなみのマナーを心得て、お通夜へ参列できるようにしておきましょう。
1.お通夜には喪服を着用するのが一般的
1-1.喪服とは
喪服は、冠婚葬祭などの儀礼時に着用する礼服の中の一種です。黒や薄墨色が基調となっており、お葬式の際に遺族や参列者が「喪に服す」という意味合いで着る衣服になります。
1-2.正喪服とブラックスーツの違い
喪服は大きく分けて3種類に分類をすることができます。
正喪服:モーニングスーツ
準喪服:ブラックスーツ
略喪服:ダークスーツ
これらはお葬式における立場によって、着用する喪服が異なります。そのため、一般的に正喪服(モーニングスーツ)は主に3親等以内の遺族、準喪服(ブラックスーツ)は主に参列者が着用をするというのがマナーとされています。色がついているような略喪服に関しては、「着替える時間もなく慌てて駆け付けた」という意味をあらわすものとされているため、お通夜の際は着用してもマナー違反にはなりません。
ただし、中にはビジネスシーンで使うような黒色のスーツを、喪服という認識で着用される方がいらっしゃいますが、これは絶対に避けたほうがよいでしょう。なぜなら、ビジネス用の黒色のスーツというのは、グレーの色合いなどの他の色が少しだけ混ざっており、漆黒の色合いだけで作られた喪服と並んで比べると、明らかに違いが分かってしまうからです。
そのため、もし服装選びに迷うことがあれば、準喪服であるブラックスーツを着用するようにしておけば間違いはありません。
1-3.喪服の準備が間に合わない場合は?
お葬式への参列はそれほど機会があるわけではないため、喪服をクローゼットなどにしまっておくと、生地が痛んでしまったり、穴が空いてしまう、といったことも起こり得てしまいます。また、5年、10年と経っていると身体のサイズが合わなくて着れなくなってしまうという方もいらっしゃるかもしれません。
そうした際は、葬儀社のスタッフへ事前に声掛けをすることで貸し衣装の手配をお願いすることも可能です。また、最近ではインターネット上において安価で喪服のレンタル手配をお願いできる業者も多数存在しています。
これらの業者の中には、依頼してからすぐ翌日に手元へ届くようにすることが可能なところもありますので、急いで服飾店に駆け込まずとも喪服を用意することができるでしょう。
2.男女別の服装マナーについて
2-1.男性
- スーツ
喪服であればシングルとダブルのどちらであっても構いません。ただし、サイズが合っていないとだらしない印象に見えてしまうため、必ずご自身の体型に合わせたものを着用するようにしましょう。 - ワイシャツ
基本的には白無地のものを着用し、派手な柄や濃いストライプが入っているようなシャツは好ましくありません。また、ボタンダウンのシャツも避けるようにしましょう。 - ネクタイ
黒無地で光沢のないものを選ぶようにして、柄が入っているようなネクタイはNGです。 - 足元周り
靴下は黒無地のものを着用し、靴も黒色で内羽根のストレートチップかプレーントゥが施されたビジネスシューズを履くようにしましょう。外羽根のタイプのものやローファーはカジュアルに分類されてしまうためNGです。
2-2.女性
- 服
光沢感のない黒無地のワンピースにボレロ、またはアンサンブル、スーツなどのブラックフォーマルを着用するようにしましょう。その場合、なるべく肌の露出が少ないものを選ぶようにします。他にも最近では減っている傾向にあるものの、和装(着物)を正式な喪服として着用する方もいらっしゃいます。 - 足元周り
肌の露出を避けるため、30デニール以下のストッキングを着用し、靴は黒色を基調とするシンプルなデザインのパンプスが最適とされています。また、歩いた時にコツコツと大きく音が鳴ってしまうようなハイヒールなどは避けるようにしましょう。
3.学生や小さいお子さんはどうすればいい?
3-1.通っている学校の制服の着用でOK
主に中学生・高校生のお子さんに関しては、通っている学校の制服をそのまま着用して参列しても全く問題ありません。ただし、普段シャツやズボンの裾をまくり上げていたり、スカート丈を短くしている場合には、失礼のないように必ず元の状態で着るように促す必要があります。
3-2.12歳以下の小さいお子さんの場合
普段から制服で登校する学校に通ってるお子さんなどは、そのまま制服で参列して構いません。もし無い場合でも、大人が着用するような黒一色の服にする必要はなく、黒や紺、グレーなどの地味な色合いであれば概ね問題ないとされています。男の子であればブレザー、女の子はスカートやワンピースの着用をします。
4.服装以外のマナーについて
・アクセサリー
男性であればスーツやシャツにカフスボタンなどを付けることはNGです。他にも派手なデザインの時計を身につけている場合は事前に外すようにしましょう。
女性に関しては金色・ダイヤ付きのアクセサリーなどは基本的に外しておくことがマナーです。結婚指輪であれば、男女ともにそのまま付けた状態で問題ありません。
ただし真珠のネックレスに関しては着用しても問題ないとされているため、実際に身につけて参列される方も多くいらっしゃいます。その場合、2連以上のものは不幸が重なることをイメージさせてしまうため、必ず1連のタイプのものを選ぶようにしましょう。
・カバン類
仕事帰りなどではそのまま持参するしかないのですが、通常時に参列する際には最低限の荷物だけに絞って持参できるような小さめのカバンを準備しましょう。その際、素材としては光沢の少ない布地のものを選ぶようにして、派手な金属の装飾がついていないものが望ましいです。なお、革製品は殺生をイメージしてしまうためNGとされています。
・メイク
派手なメイクはもちろんのこと、ノーメイクというのもマナー違反になるとされています。女性が葬儀時に施すメイクは「片化粧」とも呼ばれ、普段のメイクとは違い、よりナチュラルな印象を与えるように気をつける必要があります。
・髪型
男性はビジネスシーンを意識した髪型であれば概ね問題はないでしょう。特に髪色まで黒色にこだわる必要はなく、清潔感を感じられるように整えておくことが望ましいです。
女性に関しても同様ですが、長髪の方で普段髪を下ろしている場合などは、首の後ろあたりで結んで1つにまとめておくようにしましょう。ただし髪を束ねる際に使うヘアゴムやピンなどは、なるべく黒色のものを使用するようにします。リボンなどは黒色であれば問題ありませんが、サイズが大きく目立ってしまうようなデザインのものは避けるようにしましょう。
お通夜にふさわしい服装とは?細かなマナーを徹底解説(まとめ)
お通夜に参列する際は基本的に正喪服(モーニングスーツ)か準喪服(ブラックスーツ)の着用をするようにします。ですが、お通夜に際しては「慌てて駆けつけた」という意味合いをあらわすため、状況によっては落ち着いた色合いの平服や略喪服でも構わないとされています。
とはいえ、喪服以外にも身だしなみの面では派手なアクセサリーや髪型に気を配る必要があります。女性には「片化粧」と呼ばれるような、フォーマルな場に即したメイクが求められたり、真珠のネックレスは1連のタイプのものを選ぶ必要がある、など様々なマナーが存在しています。
服装だけでなく、そうした身だしなみに関するマナーにもしっかりと気を配ってお通夜への参列をするようにしましょう。