法事・法要
公開日 │ 2026年01月31日
更新日 │ 2026年02月09日
宗派とは?宗派がわからないときの対処法を徹底解説!
もくじ
葬儀や法要に関係なく、「自分の宗派がわからない」という方も少なくありません。今回は、自分のあるいは故人様の宗教がわからないときの対処法を解説します。宗派の基本と一覧を紹介し、日本で一番多い宗派についてや「宗教」と「宗派」の違いも解説するので、ご参考にしてください。
1.宗派の基本と一覧
日本では、仏教の13の宗派が主流となっています。 日本で一番多い宗派は「浄土真宗」ですが、そもそも「宗教」と「宗派」の違いがわからないという方もいらっしゃるでしょう。 まずは、宗派の基本と一覧、そして「宗教」と「宗派」の違いを解説します。
1-1.日本で一番多い宗派は「浄土真宗」
日本で有名な仏教の13宗は、以下のとおりです。
- 法相宗(ほっそうしゅう)
奈良時代に中国から伝わった「南都六宗」の一つで、薬師寺や興福寺を大本山とします。「唯識(ゆいしき)」という、すべての現象は心の現れであるという教えを説いているのが特徴です。歴史的な建築物や仏像を多く守り伝えていますが、檀家制度はなく、学問的な探究を重視する宗派として知られています。
- 華厳宗(けごんしゅう)
奈良の大仏で有名な東大寺を総本山とする宗派です。宇宙のあらゆる事象は互いに関係し合い、一の中に十があり、十の中にも十があるという「重々無尽(じゅうじゅうむじん)」の教えを説いています。
法相宗と同様に、檀家制度はありません。哲学的な真理を追究しているのが特徴の宗派です。
- 律宗(りっしゅう)
鑑真和上が建立した唐招提寺を本山とし、仏教徒が守るべきルールである「戒律」の研究と実践を重視する宗派です。正しい戒律を授けることで、真の仏弟子を育成することを目指しました。現在は寺院数こそ多くありませんが、日本の仏教における授戒の作法に多大な影響を与えています。
- 天台宗(てんだいしゅう)
伝教大師・最澄が比叡山延暦寺を開いたことに始まる宗派です。『法華経』を最高の教えとしつつ、密教、禅、戒律のすべてを学ぶ「四宗相承(ししゅうそうじょう)」を特徴とします。「一隅を照らす」という言葉でも知られ、すべての人に仏性が備わっていると説いています。葬儀では、華やかな法具や声明(しょうみょう)を用いた荘厳な儀式が執り行われます。
- 真言宗(しんごんしゅう)
弘法大師・空海が和歌山県の高野山を開いたことに始まる宗派です。今生のうちに仏に成ることができる「即身成仏(そくしんじょうぶつ)」という教えを説いています。葬儀では「真言」や「印」を使い、大日如来の世界へと故人様を導く、神秘的で厳かな加持祈祷が特徴です。
お焼香の回数は基本的に3回行うのが一般的です。 - 融通念仏宗(ゆうずうねんぶつしゅう)
平安時代末期に良忍によって開かれた、日本発祥の念仏宗派です。一人の念仏が他の人の功徳となり、他の人の念仏が自分一人の功徳になるという「自他融通」の教えを説いています。大阪の大念佛寺を総本山とし、独特の節回しで唱えられる美しい声明が特徴です。
- 浄土宗(じょうどしゅう)
法然上人が開祖であり、「南無阿弥陀仏」と唱えることで、誰でも平等に極楽浄土へ往生できると説きました。京都の知恩院を総本山とし、その教えは当時の民衆に広く受け入れられました。葬儀では、僧侶と参列者が共に念仏を唱える場面が比較的多く見受けられます。
- 浄土真宗(じょうどしんしゅう)
鎌倉時代に親鸞が開いた、日本で最も信者数が多い宗派です。「他力本願」を基本とし、信心を得た時点で救いが約束される「往生即成仏」という思想があります。そのため、葬儀は故人様を成仏させるための儀式ではなく、阿弥陀如来への感謝を捧げる儀式としての側面が強いのが特徴です。本願寺派(西)や真宗大谷派(東)など多くの派があります。
- 時宗(じしゅう)
「遊行上人(ゆぎょうしょうにん)」として知られる一遍上人が開いた宗派です。常に念仏を唱え、踊りながら念仏を広めた「踊り念仏」が有名です。
執着を捨てて、ただひたすらに阿弥陀仏に身を委ねることを説きます。神奈川県の清浄光寺を総本山とし、葬儀においても念仏の功徳を最大限に尊重する形式が取られます。 - 臨済宗(りんざいしゅう)
栄西によって日本へ伝えられた禅宗で、師匠から出される問題である「公案」を考えながら座禅を組む「看話禅(かんなぜん)」が特徴です。鎌倉時代、幕府や武士階級に深く支持され、茶道や水墨画などの日本文化に大きな影響を与えました。葬儀では、故人様が悟りを開くための儀式として、引導を渡す際に大きな掛け声をするのが特徴的です。
- 曹洞宗(そうとうしゅう)
道元によって伝えられ、ただひたすらに座禅を行う「只管打坐(しかんたざ)」を尊ぶ宗派です。福井県の永平寺と神奈川県の總持寺を両大本山とします。日常生活の立ち振る舞いすべてが修行であると説いています。葬儀では、故人様を仏弟子として迎え入れる「授戒」の儀式が重んじられ、威厳に満ちた静粛な時間が流れます。
- 日蓮宗(にちれんしゅう)
日蓮聖人によって開かれた宗派で、『法華経』を最高の教えとし、「南無妙法蓮華経」のお題目を唱えることを最も大切にしています。葬儀では、団扇太鼓(うちわだいこ)を叩きながら力強くお題目を唱えるなど、活気あふれる信仰の力強さが感じられるのが特徴です。
- 黄檗宗(おうばくしゅう)
江戸時代に中国から来日した隠元隆琦(いんげんりゅうき)によって開かれた禅宗です。京都の萬福寺を本山とし、中国文化の面影を強く残しているのが特徴です。お経に独特の節をつけ、太鼓や銅鑼(どら)などの鳴り物を用いる「梵唄(ぼんぱい)」や、中国風の精進料理「普茶料理」など、他の宗派にはない独特の様式美があります。
これらの13宗派は、日本の仏教の伝統的有力宗派と言われています。 それぞれの宗派にはさらに分派があり、「13宗派56派」と呼ばれることもあります。文化庁の「宗教統計調査結果」によると、日本で一番信者が多い宗派は「浄土真宗」です。
浄土真宗は、親鸞聖人が開いた日本仏教の一宗派で、「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えるのが特徴です。 念仏を唱えることで、自分の力ではなく阿弥陀仏の力で救われる、と説く教えが象徴的な宗派です。
1-2.「宗教」と「宗派」の違い
「宗教」と「宗派」は混合されがちですが、「宗教」は大きな枠組みで、「宗派」はその枠組みに属する、異なる教義のグループという違いがあります。 つまり、「宗教」の中に「宗派」が含まれている概念といえます。 同じ宗教でも、宗派が違えば教義や信仰対象が異なることがあります。
葬儀や法要は、宗教と宗派の慣習に従って執り行うのが一般的です。 葬儀や法要を執り行ううえで、故人様の宗教と宗派を確認することは欠かせません。 故人様の信仰を尊重するためにも、法要や葬儀を執り行う際は、宗教だけでなく宗派まで確認することが大切です。
3.自分の宗派がわからないときの対処法
日本人は、無宗教であると自認している人がとても多い国だと言われています。しかし、ご家族のルーツを辿ると、何らかの宗教や宗派と繋がりがあるということは意外と多いものです。ご自分の宗教や宗派がわからないときは、まずはご家族やご親族に尋ねることを推奨いたします。菩提寺がある場合は僧侶に問い合わせたり、ご先祖様のお墓や仏壇、位牌の形式を調べたりするのも、有効な確認方法です。
4.故人様の宗派がわからないときの対処法
葬儀を執り行う際に、「故人様の宗派がわからない」ということは、意外と珍しくありません。故人様の宗派がわからないときは、ご自分の宗派を確認する方法と同様に、まずはご家族やご親族に尋ねてみましょう。尋ねても不明な場合は、菩提寺や僧侶に相談すれば、宗派が明確になるはずです。
お墓や仏壇、位牌がある場合は、記してある情報から宗派を特定できる可能性もあります。菩提寺がない場合は、葬儀社に相談し、宗派を問わない形式での葬儀を執り行うことも選択肢の一つです。
宗派を把握してそれぞれの慣習を大切にしましょう(まとめ)
宗派を把握することは、故人様への敬意を払い、適切な形式で供養を行うための第一歩です。「宗教」という大きな枠組みの中に、教義の異なる「宗派」があることを理解し、それぞれの慣習を尊重しましょう。
宗派がわからない場合は、まずご親族に相談したり、お墓の形状や位牌や仏壇などを確認したりするのが有効です。菩提寺があれば、お寺へ直接問い合わせるのが最も確実な方法です。
どうしても判明しない場合は、葬儀社へ相談すれば「無宗派」での葬儀など、状況に合わせた柔軟な提案が可能です。大切なのは形式だけでなく、故人様を偲ぶお気持ちです。宗教や宗派の慣習を知って、より心のこもった供養に繋げましょう。














