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公開日 │ 2025年02月28日
更新日 │ 2025年03月07日
喪中の範囲は?喪中期間にやってはいけないこと・喪中はがきとは
もくじ

喪に服するのは故人様のご遺族やご親族ですが、どこまでの関係性が喪中となるのか、判断に悩まれる方は少なくないのではないでしょうか。今回は、喪中の範囲について解説します。喪中期間にやってはいけないこと、喪中はがきを出す範囲についても解説するため、お役立てください。
喪中の範囲は?
喪中の範囲は、一般的に2親等以内です。ご自分と配偶者を0親等とし、2親等以内のご親族がご逝去された場合に、喪中となります。2親等以内には、父母、祖父母、兄弟姉妹、兄弟姉妹の配偶者、子、子の配偶者、孫などが含まれます。
ただし、2親等以内でなければ、喪に服してはいけないわけではありません。故人様との関係性に応じて、喪中とするかを判断しましょう。
1-1.配偶者の家族の喪中の範囲について
配偶者の家族の喪中の範囲も、2親等以内とするのが一般的です。配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、兄弟姉妹の配偶者、子、子の配偶者、孫が対象となります。しかし、実際に喪中とするかどうかは、やはり故人様との関係性によります。
配偶者の父母(義父母)は1親等であることから、関係性が希薄であっても喪中とするのが基本ですが、2親等である配偶者の祖父母であれば関係性が深くない場合、喪に服さないこともあります。
喪中とするかどうかは配偶者と話し合い、故人様との関係性を考慮して判断するようにしましょう。
1-2.故人様との関係性によっては喪中の範囲となることがある
喪中の範囲は一般的に2親等以内ですが、3親等以降でも喪中の範囲となることがあります。3親等以降でも喪中の範囲となるのは、故人様との関係性が深かった場合です。故人様にお世話になっていたり、生前同居していたりする場合に、親等関係なく喪中とすることがあります。
喪中の範囲に一般的な定義はありますが、禁忌はありません。ご親族の故人様を偲び供養したいという気持ちがあれば、誰でも喪に服することができます。
喪中期間にやってはいけないこと
喪中期間にやってはいけないことは、お祝い事や新たな始まりを象徴する行動です。具体的には、以下のようなことが避けるべき行動とされています。
- 年賀状を出す
- 新年の挨拶をする
- 神社で初詣をする
- 新築を建てる
- 新車を購入する
- 入籍や結婚式をする
- 旅行をする
年賀状や新年の挨拶は、無事に新年を迎えられたことをお祝いするためのものです。喪中期間にはふさわしくないため、喪中はがきを出したり「今年もよろしくお願いいたします」という挨拶だけをしたりして、対処するようにしましょう。
神社での初詣も、喪中期間は避けるのが一般的です。新築を建てたり、新車を購入したりするのも、新たな始まりを象徴する行動であるため、喪中期間にやってはいけないことです。
入籍や結婚式、旅行も喪中期間は避け、喪明けに執り行うようにしましょう。ただし、予定の都合上、どうしても延期できない行事もあるかと思います。 その場合はご親族でよく話し合い、納得のうえで配慮をしながら行動するようにしましょう。
喪中はがきを出す範囲
喪中はがきとは、身内に不幸があった場合に、年賀状をやり取りしている人に喪中であることを伝える挨拶状のことです。 年賀状の代わりとして、年が明ける前に投函します。喪中はがきを出す範囲は、ご自分と配偶者を0親等として、2親等以内のご親族がご逝去された場合です。
ただし、3親等以降のご親族がご逝去された場合であっても、故人様との関係性によって喪に服する場合は、喪中はがきを出すことができます。喪中はがきは、年賀状のやり取りをしているお相手や、これから年賀状のやり取りをしようと思っていたお相手などに送ります。
3-1.喪中はがきの目的
喪中はがきの目的は、故人様の訃報を知らせて、年賀状の挨拶を控える旨を伝えることです。 正式には、「年賀欠礼挨拶状」といいます。喪中はがきの目的は、故人様の訃報連絡と新年の挨拶を控える旨を伝えることであるため、近状など私信的な内容は書かないのがマナーです。
3-2.喪中はがきを送る時期
喪中はがきを送る時期は、故人様がご逝去された年の11〜12月上旬までです。 お相手が年賀状の準備を始める前に、投函するようにしましょう。
喪中はがきの準備が間に合わない場合は、1月7日〜2月3日の間頃に「寒中見舞い」を送り、年賀状を送れなかった事情を説明しましょう。
3-3.喪中はがきの書き方
喪中はがきの書き方は、以下の手順に沿うようにします。
- 喪中の挨拶
- 故人様について
- 感謝の言葉
- 結びの挨拶
- 日付
- 差出人の情報
まず、はがきの右側に「1.喪中の挨拶」を書きます。 喪中の挨拶の例文は、以下のとおりです。
「喪中につき年頭のご挨拶をご遠慮させていただきます」前文や時候の挨拶などは必要ありません。簡潔に一文でまとめるようにしましょう。
次に、「2.故人様について」以下のような一文を添えます。「本年◯月に 母 ◯◯が◯◯歳にて永眠いたしました」こちらも簡潔に、死因などは書かないようにします。続いて、「3.感謝の言葉」を以下のように書きます。
「生前賜りましたご厚情に深く感謝いたします」
最後に、「4.結びの挨拶」として以下のような一文を添えます。
「明年も変わらぬご交誼のほどをお願い申し上げます」文末には、以下のように日付と差出人の情報を記します。
「令和◯年◯月◯日」
「〒123-4567 東京都◯◯区◯◯◯◯ 山田太郎」
夫婦連名で喪中はがきを出す場合は、右に夫の氏名、左に妻の名前を書くのが一般的です。
3-4.喪中はがきを送るときの注意点
喪中はがきを送るときの注意点は、句読点を使用しないことです。「終わり」や「区切り」を意味する句読点は、縁起が悪いと考えられているからです。句読点は本来日本語にはなかったもので、正式な挨拶状には句読点を付けない慣習が残っていることも理由の一つといえます。
文章の一字下げもしないように気をつけましょう。 また、喪中はがきでは「拝啓」などの頭語や、時候の挨拶などを省略するのがマナーです。
派手なデザインや色味は使わないようにし、弔事の挨拶状としてふさわしいものを選ぶようにしましょう。
喪中の範囲は2親等以内が基本(まとめ)
喪中の範囲は、2親等以内が基本となります。2親等以内とは、父母、祖父母、兄弟姉妹、兄弟姉妹の配偶者、子、子の配偶者、孫のことです。ご逝去されたご親族が2親等以内であった場合、一般的に喪中とし、一定期間喪に服します。
配偶者のご親族の場合も同様に、2親等以内が一般的な喪中の範囲となります。しかし、喪中の範囲に明確な定義や決まりはありません。
2親等以内でなくても、故人様と関係性が深かった場合など、喪に服しても構いません。喪中は年賀状を出したり新年の挨拶をしたりできないため、喪中はがきを出しその旨を伝えます。
喪中は、故人様を偲びご冥福をお祈りする大切な期間です。故人様に対する供養の気持ちを忘れずに、慎ましやかに過ごすようにしましょう。