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公開日 │ 2025年11月13日

戒名ランク(位)はなぜあるの?位の決まり方やランクを上げる方法

戒名にはランクがあり、位は故人様の生前のご功績などによって決まります。寺院や社会への貢献度が大きいほど、授けられる位は高くなるのが一般的です。ただし、戒名は僧侶によって授けられるため、お渡しするお布施の金額によっても、位は変わってきます。

今回は、戒名にランク(位)がある理由を解説します。戒名の位一覧や決まり方、ランクを上げる方法も解説するので、ご参考にしてください。

1.戒名にランク(位)がある理由

戒名にランク(位)がある理由は、故人様の仏教徒としての信仰の深さや社会的なご功績を讃え、お名前に記すことで後世に残すためです。

戒名は本来、仏様の弟子になった証として、生前に授けられる名前でした。

現代では、ご逝去された故人様に授けられるのが一般的です。戒名の位が高いほど、生前の功徳や行いが優れていたと評価されることになります。ただし、戒名の位は、ご遺族が僧侶にお渡しするお布施の金額とも相関します。

戒名の位を決定する要素は複数ありますが、僧侶に包むお布施の金額に準じて、戒名の位も高くなる傾向にあります。戒名料として僧侶にお渡しするお布施には、寺院の維持費という意味合いも含まれています。

2.戒名の位一覧

戒名の位は、「信士・信女(しんじ・しんにょ)」から始まり、最高位の「院居士・院大姉(いんこじ・いんたいし)」まで複数あります。

戒名の位一覧は、以下のとおりです。

  • 信士・信女(しんじ・しんにょ)
  • 居士・大姉(こじ・たいし)
  • 院信士・院信女(いんしんじ・いんしんにょ)
  • 院居士・院大姉(いんこじ・いんたいし)

信士・信女(しんじ・しんにょ)は、最も一般的な戒名の位で、仏教徒として信仰を持った方に授けられます。居士・大姉(こじ・たいし)は、仏教徒として信仰心が深く、寺院や社会に貢献していた方に授けられる位です。院信士・院信女(いんしんじ・いんしんにょ)は、とても高い位で、寺院の建立や維持に大きく貢献した方に授けられます。

院居士・院大姉(いんこじ・いんたいし)は、戒名の最高位の一つです。社会的に高いご功績を残した方など、特別な方に授けられる位であり、一般の方がこの位を授かることはあまりありません。

戒名は、原則としてこれらの位を表す「位号」の前に、「院号」・「道号」・「戒名」が組み合わされ、構成されます。

3.戒名の位の決まり方

戒名の位は、故人様の生前の社会的地位や社会・寺院への貢献度によって決まるのが一般的です。また、故人様の年齢や地域・宗派の慣習によっても、授けられる位は変わってきます。 戒名の位の決まり方を詳しく解説します。

3-1.社会的地位

故人様が生前に築かれた社会的地位やご功績は、戒名の位に影響を与える要素の一つです。社会的地位が高かった方や社会に大きな影響を与えた方は、その功績が讃られ、高い位の戒名が授けられる傾向にあります。ただし、社会的地位の高さに、明確な基準はありません。

最終決定は寺院の僧侶の判断に任されるため、社会的地位が高くても、必ずしも高い位を授かるわけではない点に留意しましょう。

3-2.寺院への貢献度

戒名の位に最も直結する要素が、寺院への貢献度です。具体的には、寺院の建立(こんりゅう)や維持や修繕への寄付活動、仏教の教えを広める信仰活動などが評価されます。戒名料として僧侶に包むお布施も、戒名の位に影響します。お渡しするお布施が寺院の維持につながることから、金額の大きさが信仰心の深さとも解釈できるからです。

3-3.年齢

故人様の年齢も、戒名を決める大切な要素の一つです。 一般的に、流産・死産の場合は「水子(みずこ)」、ご逝去された年齢が3歳以下あれば「嬰児・嬰女(えいじ・えいにょ)」、5歳以下は「孩子・孩女(がいし・がいにょ)」、17歳以下は「童子・童女(どうじ・どうにょ)」が授けられます。

これらの戒名は、成人に授けられる「信士・信女」のように位を表すものではありません。未成年の故人様に対しては、年齢が考慮され、戒名に位を付けずに供養が執り行われます。

3-4.宗派や地域の慣習

戒名の位の付け方は、宗派や地域の慣習によっても異なることがあります。同じ位の戒名でも、宗派や地域によって、お布施の金額相場は変動します。

また、浄土真宗のように戒名ではなく、「法名」を用いることもあります。戒名を授かる際には、事前に菩提寺に相談し、宗派や地域、寺院の慣習や考え方を確認することが大切です。

4.戒名のランク(位)を上げる方法

戒名のランク(位)を上げる一般的な方法は、お布施を多く包むことです。これは、戒名の位をお金で購入できることを示唆するものではありません。戒名のお布施は、仏教の教えに対する感謝の気持ちを表すものであり、寺院の維持・運営を支える重要な資金となります。

つまり、お布施を多く包むことは、寺院の維持・運営に大きく寄与することでもあるのです。戒名の位を上げたいというご希望がある場合は、菩提寺の僧侶に事前相談し、故人様やご遺族の意向を丁寧に伝えることが重要です。

戒名のランク(位)は故人様の生前のご功績などによって授けられる(まとめ)

戒名にランク(位)があるのは、故人様の仏教への信仰の深さや、社会・寺院への貢献度を讃え、後世に残すためです。戒名の位は「信士・信女」から「院居士・院大姉」まであり、故人様の生前のご功績や年齢、宗派・地域の慣習などが総合的に考慮されます。

特に高い位である「院号」は、寺院の維持・運営への貢献が大きい方に授けられます。戒名の位を上げたい場合は、相場よりも高いお布施を包むことで、寺院の維持・運営に大きく寄与したとみなされます。戒名を授かる際は、菩提寺に相談し、宗派や寺院、地域の慣習や考え方を確認することが大切です。

お布施の金額も含め、ご遺族の意向を丁寧に伝え、故人様にふさわしい戒名を授けていただきましょう。