費用
公開日 │ 2021年10月08日
更新日 │ 2024年06月04日
葬儀費用の相場や内訳について徹底的に解説
もくじ
また、それに加えて、葬儀が終わった後に掛かってくる追加費用や、トータルの葬儀費用をなるべく抑える方法に関しても合わせて解説をいたします。なるべく無駄な費用をかけることなく、適正な費用で葬儀を行うためには、それぞれの細かい部分を詳しく知っておく必要があるため、順番に見ていきましょう。
1.葬儀費用の全国平均は約119万円
「 第11回葬儀についてのアンケート調査」では、葬儀費用の全国平均が約119万円と発表されています。(出典:某金融機関調べ)
この数値だけを見ると、「正直思っていたよりも高い…」と感じる方も多くいらっしゃるかもしれません。現代では高齢化社会に伴って、多額の介護費用や入院費もある中、さらに葬儀費用までというとその金銭的負担は大きく感じてしまいます。
ですが、実は葬儀というのは形式や規模によって費用が異なってくるものです。高額な費用を支払わなくてはいけなくなる前に、まずは自身の希望する葬儀の形式をしっかりと理解した上で、適切な価格を判断できるようになる必要があります。
2.実際には葬儀の形式や規模によって費用が異なる
2-1.葬儀の形式は様々ある
葬儀の形式というのは主に以下の4つに分けることができます。
一般葬 | 友人や会社関係、近所の方など幅広い関係の方をお呼びして行う形式。人数の目安は30名以上。 |
家族葬 | 親族や親戚を中心として執り行う葬儀。人数の目安は5名〜30名以内。 |
一日葬 | 通夜をおこなわずに告別式のみを行う形式。近しい方中心の葬儀になる傾向があるため、家族葬と同様に目安は5名〜30名以内。 |
火葬式(直葬) | 葬儀告別式を行わず火葬のみ行う形式。故人の身内だけなど、人数は限定されることが多く、目安は多くても5名以内ほど。 |
葬儀に参列する人数が増えれば増えるほど、式場の規模も大きくなり、料理や返礼品などの接待費用も大きくなるため、一般葬では全国平均の約119万円といった金額になることも珍しくありません。
一方で火葬式などは身内が中心の葬儀のため、式場を利用する必要もなく、接待費用も掛からないため、20〜40万程度が相場金額となります。
2-2.一日葬だからといって葬儀代が半分になるわけではない
では、一般葬や家族葬のように通夜・告別式と2日間にわたっておこなう形式と、一日葬との間でも大幅に費用は異なるのか、気になる方もいらっしゃるかもしれません。
実は、一日葬でも祭壇の用意をした場合には、式場を2日間おさえておく必要があり、設営にかかる費用も同じように発生します。そのため、単純に葬儀代が半分になるというわけではなく、あくまで参列者の人数に応じた分の費用だけが差額として安く抑えられるということになります。
3.葬儀費用の内訳(固定費)
葬儀費用は「固定費」と「変動費」の合計で金額が決まります。インターネット上での広告で記載されている金額は、固定費の部分のみを切り取って掲示している場合も多く、費用トラブルの元になりやすい部分です。
葬儀の見積書を細かく見ていくと、必要な費用と、そうでない項目の詳細も理解できるようになるため必ず確認をするようにしましょう。
3-1.祭壇
一昔前までは白木祭壇が主流でしたが、近年では生花を多く使用した祭壇を選ばれる方が増えてきています。なお、生花祭壇に使用されるお花について、菊といった和花だけでなく、カーネーションやユリといった洋花などで構成されることも多くあり、金額やデザインも様々です。
3-2.御寝棺
ご火葬までの間、故人様を大切にお納めする棺です。昔は桐に代表されるような木製の棺が一般的でしたが、現在では布張り仕様の棺を始めとした様々な種類の棺からお選びいただくことが可能です。
3-3.遺影写真
遺影写真は祭壇やお清めの席に飾るもので、一般的には四つ切り〜半切サイズに引き伸ばして作成をします。また、自宅のお仏壇などに飾る手札写真もあわせて作成することが多いです。最近では写真の加工技術も向上しており、顔部分が親指サイズ程度の画像でも綺麗な遺影写真に仕上げることができるようになっています。
3-4.寝台車・霊柩車
寝台車は1回の搬送につき料金が発生するため、例えば「病院〜自宅」「自宅〜斎場」で寝台車の使用をした際は、2回分の搬送料金が計上されます。霊柩車はお棺に納められた状態の故人を、斎場から火葬場まで搬送する車両です。昔は宮付きの豪華な白木車が使用されることもありましたが、最近ではバン型やワゴン型の洋型車両が主流となっています。
3-5.収骨容器
一般的には白瀬戸の陶器にお骨を収めますが、関東圏では7寸、関西圏では4〜5寸といった具合に地域ごとでサイズが異なります。素材が青磁や大理石で出来ているものや、デザイン性のある柄模様が入った収骨容器などもあり、それぞれの種類に応じて金額も異なってきます。
3-6.火葬費・斎場使用料
火葬費は住んでいる地域によって無料のところもあれば、私営で75,000円かかるところなどもあり金額が異なります。斎場使用料も施設の広さや立地によって変わるものの、公営斎場や民間の斎場で10万〜50万円ほどです。
3-7.お布施などの宗教費用
菩提寺の場合はそれぞれの寺院によって金額が異なります。葬儀社紹介のお寺であれば戒名や葬儀の形式によって5万〜50万程度の範囲内で金額が決まっていることが多いです。
4.葬儀費用の内訳(変動費)
変動費は固定費とは違って、参列する人数や葬儀の規模に応じて金額が異なってきます。葬儀の規模を事前に予測することが難しい場合には、後からの追加料金として発生する費用でもあるため、その点をしっかりと理解しておく必要があります。
また、オプションとなっている項目もあるため、必要かどうかを慎重に判断するようにしましょう。
4-1.飲食接待費用・返礼品
通夜振る舞いや精進落としの食事、飲み物代などで、主に参列者数によって費用が変動します。また、お香典返しとして渡す返礼品なども変動費となっており、それぞれ1人あたり3,000円〜5,000円を目安として計上されることが多いです。
4-2.供花・供物
祭壇脇に飾られる供花や果物などの供物については、本数や個数に応じて金額が変動します。なお、供花についてはお花のボリュームに応じて、1基あたり15,000円〜40,000円程度の仕様から選ぶことが可能です。
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4-3.ハイヤー・マイクロバス
ハイヤーについては、仏式であれば住職、神道であれば宮司など、司式者のためにご用意されるケースがほとんどです。マイクロバスは20〜25名程度のお乗り合わせが可能なため、火葬場まで同行される人数に応じて手配が必要かどうか判断をします。また、いずれも時間制での手配となるため、状況によっては延長料金などが発生する場合もあります。
4-4.安置費用
人口の多い地域や冬場の時期になると、火葬場の予約が取りづらいという状況が発生します。そうした際にはお身体をご安置するための施設やドライアイスの処置が必要となるため、1日あたり約1万〜2万円程度の追加費用が掛かります。
季節性の要因が影響するのが特徴です。例えば冬場や夏場の間は、毎年の傾向として亡くなる方も増えるため、1週間近く安置が必要なケースもあります。
4-5.ドライアイス処置料
ドライアイスは、ご遺体の変化を抑制する為に使用されます。ご遺体処置専用の綿布や不織布でドライアイスを包み、お身体に直接お当てする事はなく尊厳を持って施されます。葬儀社によりドライアイスの形状や仕様が異なりますが、1日あたりのドライアイス処置料は1万円〜2万円程です。
保冷設備の整った安置施設でもドライアイスを併用して使用する事でご遺体の腐敗を抑制する効果が増すと言われております。前記の安置費用と同様に火葬をするまでの日数によって変動する項目となりますので、経過日数分の料金が葬儀費用に計上されます。
4-6.湯灌やお化粧・着せ替えなど
お棺に納棺する前にお身体を綺麗に整えて、着せ替えまでおこなう湯灌や、お顔に施すお化粧などは別途の費用としているところがほとんどです。
5.葬儀費用で事前に知っておきたい3つのポイント
5-1.葬儀費用は基本的に喪主が負担する
葬儀費用を負担する人を「施主」、葬儀を執り行う責任者を「喪主」という呼び方で区別されることがありますが、一般葬や家族葬といった形態のお葬式においては「施主=喪主」となることがほとんどです。そのため、葬儀費用は基本的に喪主が負担することになります。
ただし、喪主を務める方が遠方に住んでいる、費用面は長男ではなく次男が管理をしているといった事情がある場合などは、家族間の話し合いによって喪主以外が葬儀費用を負担することもあります。
5-2.故人の預金口座から葬儀代を支払う際は要注意
預貯金の仮払い制度
仮払い制度とは、遺産分割が成立する前であっても、一定の金額であれば法定相続人が被相続人名義の預貯金を出金できる制度です。法改正以前は故人の銀行口座は死亡したことが銀行に伝わると口座が凍結され預貯金の引出しが一切できませんでしたが、2019年7月1日の法改正により一部が緩和され、葬儀費用の支払いの使用用途に限り、家庭裁判所の判断を経なくても金融機関の窓口にて預貯金の仮払いを受けられます。
ひとつの金融機関あたりの出金額上限は[死亡時の預貯金残高×法定相続分×3分の1の金額]または150万円いずれか低い方の金額です。相続人それぞれ別に出金可能です。また、金融機関ごとに適用される制度なので、他の銀行に預金口座がある場合にはその分出金可能な金額が増えます。
5-3.請求書(明細表含む)と領収書は必ず保管しておく
葬儀社との間で費用面でのトラブルを避けるためにも、葬儀代の支払い前に渡される請求書や費用明細をしっかりと確認することが大切です。また、実際に葬儀代を支払った後に渡される領収書についても必ず保管しておく必要があります。なぜなら、葬儀代の領収書が後述する葬祭費の申請手続きに必須となるためです。
他にも故人口座からの引き出しをされた場合などは、故人の遺産を勝手に使っていないことを他の相続人に対して証明できるため、葬儀代の支払いに関わる書類は必ず無くさずに保管しておくようにしましょう。
6.葬儀費用を少しでも抑えたい場合は?
6-1.お香典を葬儀代の支払いに充てる
お香典は本来、故人へのお供えという意味合いから持参するようになったものですが、一方で遺族に対する金銭面での「相互扶助」をおこなうという側面も持ち合わせています。実際の葬儀費用のうち、頂いた分のお香典を加えることで多少なりとも負担を減らすことができるでしょう。
ただし、最近では家族葬が増えてきており、参列者からのお香典を辞退される方もいらっしゃいます。参列者への負担が減る分、遺族側にはその分の金銭的負担が掛かってくるということはしっかりと把握しておくようにしましょう。
6-2.葬祭扶助制度を利用する
故人が国民健康保険に加入をしていれば、逝去後2年以内の申請で自治体から3万円~7万円程度の葬祭費が支給されます。また、社会保険に加入をしていた方は5万円の埋葬料が支給されます。厳密な金額は各自治体によって異なるため、詳しくは問い合わせる必要がありますが、こうした社会制度を活用することで少しでも負担を減らすことができるでしょう。
6-3.葬儀の形式を見直す
最近では町内会が総出となってお手伝いをするお葬式や、会社関係の方が付き合いで参列するお葬式が減ってきている傾向にあります。代わりに、近しい方だけでお別れをする家族葬や、通夜をおこなわない一日葬・火葬式などが全体の割合の多くを占めるようになってきました。
そのため、こうした葬儀の形式自体を見直すことで、費用をなるべく抑えることも可能です。ただし、結果として故人とのお別れの時間が少なくなってしまうという側面もあるため、必ずしも費用面のメリットだけを考慮するのではなく、家族間でしっかりと相談して決めるようにしましょう。
6-4.事前相談をして検討
いざという時を迎える前に、あらかじめ依頼する葬儀社を決めておくと安心です。その際は葬儀社がおこなっている事前相談などを利用して、葬儀費用の概算見積もりを依頼しましょう。葬儀の希望内容を具体的に伝えることで、実際の葬儀費用に近い見積書を作成してくれます。追加で発生する料金の有無なども考慮して、予算に合った葬儀を行うことが重要です。
7.葬儀費用の支払いが難しい場合は?
7-1.故人の保険金などで補填する
故人が加入していた生命保険などがある場合には、そちらを葬儀費用の一部として充てるという方もいらっしゃるでしょう。その際は申請してから実際に口座へ入金されるまでに数週間〜数ヶ月かかることもあるため、葬儀社に支払いの猶予期間の相談をしておく必要があります。
ただし、介護費用や入院費、納骨までの費用といった負担も掛かってくることを考えると、保険金の全てを葬儀代に充てることは難しいため、無理のない範囲内で費用負担の割り当てを判断するようにしましょう。
7-2.葬儀用のローンやクレジットローンを活用する
葬儀社と提携している信販会社では、葬儀用のローンを利用できる場合があります。他にも銀行や信用金庫によっては同様の貸付サービスを受け付けていることがあります。そうした制度を上手く活用することでも、一時的な現金の出費を抑えることが可能です。
ただし、葬儀用のローンは誰でも利用できるわけではなく、年齢や職業、直近の年収、預貯金、既存の借入の有無といった情報をもとに行われる与信審査に通ることが条件となるため、あらかじめ注意しておきましょう。
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葬儀費用の相場や内訳について徹底的に解説(まとめ)
葬儀費用は全国平均で約119万円という数値が発表(出典:某金融機関調べ)されているものの、実際のところ規模や形式によって金額が大きく異なるため、一概にいくらが相場とは言い切れない部分があります。そのため、まずは葬儀にかかる費用の内訳や追加でかかる費用を1つ1つしっかりと理解しておくことで、不必要と思われるような項目やオプションを瞬時に判断することが出来るようになるでしょう。
また、最近では終活の一環として自身や家族の葬儀のことを考える機会も増えてきています。人数やご予算、ご希望の葬儀内容をご遠慮なく平安祭典にご相談ください。掲載の費用例以外にも、様々な葬儀プランをご提案いたします。