マナー
公開日 │ 2024年09月19日
お布施のお金の向きのマナー3つ!基本・書き方・金額・注意点も解説
もくじ
1.お布施とは
1-1.香典との違い
1-2.お布施を渡すタイミング
2.お布施のお金の向きのマナー3つ
2-1.すべてのお札の向きを揃える
2-2.奉書紙や封筒の表に対してお札の肖像画を上向きにする
2-3.奉書紙や封筒の表書きの上部にお札の肖像画が位置するようにする
3.お布施の書き方
3-1.黒墨で書く
3-2.旧字体の漢数字を使う
4.お布施の金額
4-1.お布施の金額にタブーな数字はない
5.お布施の注意点
5-1.お布施には新札を用意する
5-2.お布施には二重の封筒を使わない
5-3.お布施のマナーは地域や宗教によって異なることがある
お布施のお金の向きはお札の肖像画がポイント(まとめ)
お金の向きなどのマナーが守られていないと、受け取られた方が不快な思いをされてしまうかもしれません。お布施を包むときは失礼にあたらないように、お金の向きや表書きの書き方などを確認することが大切です。
今回は、お布施のお金の向きのマナー3つをご解説します。お布施の基本・書き方・金額・注意点も解説しますので、ぜひご参考になさってください。
1.お布施とは
お布施とは、読経や戒名を授けていただいたお礼として、僧侶に渡す金銭のことです。お布施の金額に決まりはなく、葬儀や法要を執り行う際に、感謝の気持ちを込めて包みます。
お布施と香典との違い、僧侶にお渡しするタイミングを解説します。
1-1.香典との違い
お布施と香典の違いは、目的にあります。 お布施の目的は、仏様や僧侶に感謝の気持ちを伝えることです。お渡しする相手は、お寺や僧侶になります。
香典の目的は、故人様の供養とご遺族の葬儀費用の負担軽減です。お渡しする相手は、ご遺族になります。
1-2.お布施を渡すタイミング
お布施は、葬儀や法要が始まる前にお渡しするのが一般的です。 僧侶が葬儀場や自宅に到着し、挨拶を交わすタイミングでお渡しするようにします。
ただし、葬儀や法要の開始前に時間の余裕がなければ、儀式の終了後にお渡ししても構いません。
お布施を渡すときは袱紗(ふくさ)に必ず包み、切手盆(きってぼん)や祝儀盆(しゅうぎぼん)と呼ばれる小さなお盆に乗せて渡すのがマナーですが、ご用意できなければ、普通のお盆でも構いません。
普通のお盆もご用意が難しい場合は、袱紗から渡します。袱紗から渡すときは、直前に開き、お布施の下に袱紗を敷くようにして渡すのがマナーです。直接手渡しすることがないように気をつけましょう。
2.お布施のお金の向きのマナー3つ
お布施を包むときは、お金の向きやお札の肖像画の位置に気を配ります。お金の包み方のマナーが守られていないと、受け取られた方に失礼にあたることがあるため注意が必要です。お布施のお金の向きのマナー3つを解説します。
2-1.すべてのお札の向きを揃える
お布施は、すべてのお札の向きを揃えるようにします。向きだけでなく、お札の表裏も必ず揃えるのがマナーです。 お札に折れ目などがないかも確認します。
2-2.奉書紙や封筒の表に対してお札の肖像画を上向きにする
お布施は、奉書紙や封筒の表に対して、お札の肖像画が上向きになるように包みます。奉書紙や封筒を表から開けたときに、お札の肖像画が見えるようにするのがマナーです。
香典とは正反対の包み方になるため、間違えないようにお気をつけください。
奉書紙や封筒の表書きの上部にお札の肖像画が位置するようにする
お布施は、奉書紙や封筒の表書きの上部に、お札の肖像画が位置するようにします。こちらも香典とは正反対の包み方になるため、お気をつけください。
3.お布施の書き方
お布施を包む奉書紙や封筒には、表書きをします。 表書きとは、包みの趣旨を示すものです。 お布施の書き方を解説します。
3-1.黒墨で書く
お布施の表書きは、薄墨ではなく黒墨で描きます。 奉書紙や封筒の表の中央上部に「御布施」または「お布施」と書き、その下に氏名あるいは「〇〇家」と書くのが一般的です。ボールペンの使用はマナー違反になるため、黒墨の毛筆や筆ペンで書くようにします。
3-2.旧字体の漢数字を使う
お布施の封筒の裏面左側下部には、ご自分の住所と包んだ金額を書きます。 お布施の金額を書くときは、旧字体の漢数字を使うのがマナーです。 包んだ金額に応じて、「金〇〇萬圓也」と記します。
「萬」は「万」、「圓」は「円」、「也」は「これ以上、端数はございません」という意味です。
たとえば、3万円を包むのであれば「金参萬圓也」、10万円を包むのであれば「金拾萬圓也」とします。
4.お布施の金額
お布施の金額に、明確な決まりはありません。 葬儀や法要の種類、地域、宗教などによって相場は異なります。お布施の一般的な金額について解説します。
4-1.お布施の金額にタブーな数字はない
香典では、「4」や「9」の「死」や「苦」を連想させる数字はタブーであり、包むべきではないと考えられています。お布施では基本的にタブーな数字はなく、どのような金額を包んでも構いません。
ただし、あまりに少ない金額を包むと失礼にあたるため、地域の相場に応じて包むようにします。
5.お布施の注意点
お布施には、お金の向きや金額以外のマナーも存在します。マナーを守らずにお布施をお渡ししてしまうと、相手の方に不快な思いをさせてしまうかもしれません。お布施の注意点を解説します。
5-1.お布施には新札を用意する
お布施は、新札を包むのがマナーとされています。お布施は、僧侶に対して感謝の気持ちを伝えるものです。新札または、使用感の少ない紙幣を用意するということは、誠意ある姿勢を示すことになります。
反対に、お香典は旧札を使うのがマナーです。新札を使うと、故人様の訃報を予期して準備していたかのような印象を与えてしまうからです。
5-2.お布施には二重の封筒を使わない
お布施は白い封筒に包むのが一般的ですが、二重のものはマナー違反になります。 二重封筒は、「不幸が重なる」といった意味を連想させてしまうからです。
5-3.お布施のマナーは地域や宗教によって異なることがある
お布施のマナーは、地域や宗教、僧侶との関係性などで異なることがあります。
たとえば、仏教では基本的に「お布施」といいますが、神道では「玉串料」や「初穂料」など、別の言葉を用いることがあります。
キリスト教にお布施の習慣はなく、「献金」という形が一般的です。 地域や宗教の情報を事前に集めて、なるべくマナーを守ることが大切です。
お布施のお金の向きはお札の肖像画がポイント(まとめ)
お布施とは、僧侶に対して感謝の気持ちを伝える金銭のことです。読経や戒名を授けていただいたお礼として、葬儀や法要の際にお渡しします。
お布施を包むときは、お金の向きをすべて揃えて、お札の肖像画を奉書紙や封筒の表に対して上向きになるようにするのがマナーです。
表書き上部に対して、お札の肖像画も上に位置するようにします。
お布施と香典では、お金の包み方のマナーが正反対な点が多いため要注意です。お布施には、他にも様々なマナーがあります。
お布施のマナーは地域や宗教によって異なることがあるため、事前に調べて失礼にあたることがないようにすることが大切です。