家族葬の平安祭典

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公開日 │ 2021年10月14日

更新日 │ 2024年06月04日

精進落としとは?当日の流れやマナーについて

精進落としとは?当日の流れやマナーについて
告別式後の精進落としとは、通夜振る舞いと違って親族を中心とした会食になります。かつて精進落としは、四十九日法要までの期間から明けた後の食事を意味していました。ですが、現代では食事の内容やタイミング、目的などが大きく変わっています。

そういった時代的な背景と合わせて、実際の精進落としの流れから、会食をセッティングする際に気をつけるべきマナーについても詳細に解説をいたします。また、精進落としの会食を始める前には献杯やお礼の挨拶をおこない、終わる間際にも締めの挨拶をおこなう場面があります。

そのまますぐに使用できる挨拶例文もあるため、「急に挨拶や献杯の発声を任されてしまった…」という方などは事前に準備しておくと安心です。

1.精進落としとは?

精進落としとは、遺族や親戚を中心にして葬儀や火葬の後におこなわれる会食のことを指します。なお地域によっては、火葬中に精進落としをする場合もあります。

かつては仏教の考えに基づき、故人が亡くなってから四十九日法要を迎えるまでは、肉や魚などを使用しない精進料理を食べていました。その後、忌明けを迎えた際に普通の食事へ戻すことを「精進落とし」と呼んでいたため、今でもその名残りで使用されている言葉となります。他にも「お斎(とき)」や「お清め」とも呼ばれることがあります。

ですが、近年は様々な考え方の変化に伴って、そうした本来の仏教的意味は薄れてきており、どちらかというと故人への供養や参列者のおもてなしをする会食という意味合いが強くなっています。

2.精進落としの流れ

2-1.挨拶

喪主や親族の代表者から、精進落としまでお付き合い頂いた参列者に対してのお礼の挨拶を述べます。

2-2.献杯

食事の前に故人との関係が深い親戚や友人から生前のエピソードを語ってもらい、献杯の発声をして頂きます。なお家族葬などでは、喪主がそのまま献杯の発声までおこなう場合もあります。

2-3.会食

故人の思い出話などを語りながら、会食の時間を過ごします。親族以外の参列者がいる場合には、遺族が順番にお酌をしながら席を回ります。

2-4.締めの挨拶

食事がある程度済んだ頃合いを見計らって、喪主や親族代表者が精進落としを終了するための締めの挨拶をおこないます。

 

3.精進落としでの挨拶例

3-1.開始前

昨晩のお通夜・本日の葬儀・告別式とご多忙のところ〇〇(故人名)の為に、ご会葬をいただき、誠にありがとうございました。おかげさまで滞ることなく葬儀・告別式を済ませることができました。

ご参列の皆様へお礼の気持ちを込めて、ささやかではございますが、心ばかりのお食事をご用意いたしましたので、お時間の許す限りごゆっくりとお召し上がりください。

本日は誠にありがとうございました。

3-2.献杯発声

私は故人の〇〇(関係性)の〇〇でございます。

【故人との思い出エピソードなど】

他にもお食事の席では、故人の思い出話などを存分に語っていただければ何よりの供養に存じます。

皆様、どうぞお手元のグラスをお持ちください。

〇〇(故人名)を偲び、献杯のご唱和をお願いいたします。

安らかなご冥福と皆様のご健勝を祈念いたしまして、献杯。

ありがとうございました。

3-3.終了時

皆様、本日は長時間にわたりまして最後までお付き合いくださり、本当にありがとうございました。亡き〇〇(故人名)もさぞかし喜んでいることと存じます。

まだまだ、ゆっくりとご歓談していただきたいところですが、ご列席の皆様もお疲れのことと存じますので、この場をお開きとさせていただきたいと思います。

皆様、どうぞお気をつけてお帰りください。

本日は誠にありがとうございました。

4.精進落としの料理について

お葬式のお料理

4-1.金額はどれくらいが相場?

精進落としの料理は1人1膳の仕出し弁当や懐石料理を用意する形式が一般的です。金額としては4,000円〜1万円程度で用意することが多いですが、参列する人数や料理の種類によって異なります。最近は懐石料理以外にも様々なバリエーションがあるものの、直近のコロナ禍では会食を避けるために、お持ち帰りのお弁当にされる方もいらっしゃいます。

4-2.通夜振る舞いとの違い

通夜ぶるまいの席では、基本的に料理は取り分けがしやすいような大皿のもので提供されます。そのため、参列者は料理や飲み物に少し口をつける程度で離席するのが一般的です。一方で精進落としは、あらかじめ人数分の食事として用意され、参列者も親族が中心となることが特徴として挙げられます。

4-3.お坊さんや故人の分も必要?

精進落としでは、お経をあげてくれたお坊さんが親族と一緒に席につく場合があります。その際にはお坊さん用の御膳も準備する必要がありますが、特に料理の品目などは変えずに同じ料理を用意して差し支えありません。もし同席しない場合には、御膳料として5,000円〜1万円をお包みするとよいでしょう。

また、故人用のお膳は通常「陰膳」という形式で用意することが多いです。ただし、浄土真宗の宗派では原則必要ないとされているため、事前に確認をしておきましょう。

5.気をつけるべきマナー

5-1.会食時の席次について

一般的に宗教者が最上位(故人の遺骨から近い場所)に座るようにして、故人の親しい友人・知人などの参列者、もしくは親戚関係にあたる方が上座に座ります。喪主や遺族などは、入り口近くなどの下座の席に座るようにしましょう。

5-2.挨拶される方へ事前に声掛けをする

直前になって急に挨拶を振られてしまうと、話をうまくまとめられず緊張される方もいらっしゃるため、会食前の挨拶や献杯の発声を依頼する際は必ず事前にお声がけをしておくようにしましょう。

5-3.適度なタイミングで切り上げる

会食の場ではついお酒も入り、話が盛り上がってしまうこともあります。ですが、葬儀の後で疲れが溜まってくる時間でもありますので、長居することは好ましくありません。始まってから1時間程度を目安にして、適度なタイミングで会食を切り上げるようにしましょう。

精進落としとは?当日の流れやマナーについて(まとめ)

精進落としは本来、仏教の考えに基づいて肉や魚などを避けた食事をする精進期間を終えた後にするのが一般的でした。しかし、現在はそうした宗教的な意味合いは薄くなり、食事を通して故人を偲ぶため、あるいは参列者へのおもてなしをする場になってきています。

喪主の挨拶や献杯から始まり、食事中は遺族がお酌をして回るなど忙しい場面もありますが、基本的には1人1膳で食事が用意されているため、ゆっくりと故人の思い出話などをしながら歓談して過ごす場です。とはいえ、参列者の席次や寺院への気遣いも大事にしつつ、ついお酒が入って盛り上がりすぎてしまわないように注意が必要となります。

1時間ほどを目安として、終わる間際にはお礼の挨拶をして適度なタイミングで切り上げることも大切です。