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公開日 │ 2024年06月28日

更新日 │ 2024年07月17日

病院での死亡宣告を受けた際の対応について|葬儀社手配までの流れを解説

病院での死亡宣告は遺族にとって大きな悲しみを感じる瞬間です。突然のことで気持ちも落ち着かず、何からすればいいのか分からないという方も多くいらっしゃるでしょう。

しかし、病院では亡くなった後の諸々の手続きやご遺体への適切な処置が行われる中、まずは葬儀社へご遺体の搬送の手配をしてもらう必要があります。また、そうした状況下で慌てることなく速やかに葬儀社へ連絡が出来るように、死亡宣告を受けた際の流れやご遺族がするべき対応をしっかりと理解しておくと安心です。

そこで今回は病院でのご逝去後の流れから、葬儀社の手配をする際の注意点に至るまでを詳しく解説いたしますので、ぜひ参考になさってください。

1.死亡宣告を受けた際の対応

現代では介護施設や自宅で最期を迎える方の割合が増えていますが、厚生労働省が発行した「人生の最終段階における医療・介護」の資料によると医療機関での看取りが全体の67%を占めています。3人中2人の方が病院で亡くなっている事実をふまえて、まずは病院で亡くなった際の流れについて順に解説いたします。

出典:「人生の最終段階における医療・介護」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001097991.pdf

1-1.医師による死亡宣告

医師による死亡宣告は、以下の「死の3徴候」に基づいて行われます。

  1. 心臓(心拍動)の停止
  2. 自発呼吸の停止
  3. 瞳孔散大および対光反射の消失

これらの徴候が全て確認された場合、患者の死亡が確認されます。ただし、患者や遺族の意向により予め臓器提供の希望がある場合には「脳死」による死亡の判断も認められています。

死亡の確認は医師のみが行うことができ、確認後は遺族に対してご逝去の事実と時刻を伝えるというのが一般的な死亡宣告の流れです。

1-2.エンゼルケア

ご逝去後は、感染症予防やご遺体の尊厳を保つために看護師によるエンゼルケアがおこなわれます。

エンゼルケアでは、まず医療器具の取り外しや傷口のケアをおこない、ご遺体の清拭をした後で化粧を施します。また、状況に応じて詰め物や着せ替えなどが行われる場合もあり、概ね1時間前後で終了することがほとんどです。

1-3.ご遺体の搬送

ご遺体のエンゼルケアが終わった後は病院からの搬送が必要です。そのため、死亡宣告を受けてからエンゼルケアに入るまでの間に、葬儀社への連絡をしておくように申し伝えられます。

ただし院内に霊安室がある規模の大きい大学病院などでは、エンゼルケアが終わって病室を移動してから葬儀社への搬送依頼をする場合もあります。 あらかじめ依頼する葬儀社が決まっている場合はそちらに連絡をとり、病院に到着する時間の確認をおこなうようにしましょう。

なお、その際に病院からの搬送先として自宅か専用の安置施設のどちらにするかを聞かれるため、ご遺族の間で事前に相談しておく必要があります。

2.病院で必要な手続きや死亡後の手続きについて

病院でご逝去された後は搬送の手配だけでなく、院内で行う手続きがいくつかあります。いざという時に慌てることのないように、それぞれの手続きについてご紹介いたします。

2-1.死亡診断書の受け取り

病院で死亡宣告を受けた際は、ご逝去の経緯や時刻などを記載した死亡診断書が担当医から発行されます。なお、担当医が不在の場合や夜間にご逝去の場合には当直の医師が書いてくれることもあります。

死亡診断書には故人の名前や生年月日といった情報も記載されるため、受け取った際は必ず内容を確認するようにしましょう。

もし間違っている場合は今後の手続きに支障が出ることがあり、また、記載内容も担当医師にしか修正を依頼することが出来ないため、注意が必要です。

2-2.退院の手続き

葬儀社へ搬送の依頼を済ませた後は、病院側に退院の手続きについて確認をおこないます。入院費の精算は後日となることが一般的ですが、窓口での支払いか振り込みになるのかといった対応は病院によって異なるため、事前にしっかり確認しておきましょう。

2-3.死亡届の提出

死亡診断書のほとんどは、死亡届と記載のある用紙と一緒になっています。死亡届は故人の住所や本籍地だけでなく、届出人となる方の情報を記載した上で所定の役所へ提出する必要があります。

なお、提出が可能な役所は以下の3つの条件のいずれかに該当する場所に限られるため注意が必要です。

  • 故人の亡くなった場所
  • 故人の本籍地がある場所
  • 届出人の住民票がある場所

また、死亡届は亡くなってから7日以内に提出する必要があります。死亡届の提出によって「火葬許可証」が発行されるため、火葬を執り行うことが可能となります。

3.病院で葬儀社を手配する際の注意点

大切な方を亡くされた後では動揺して正常な判断が出来ないことも想定されます。状況によっては病院や葬儀社とのトラブルにも発展する可能性もあるため、葬儀社を手配する際の注意点についてご紹介します。

3-1.逝去時の対応は病院によって異なる

逝去時の対応は病院によっても様々です。患者が亡くなった後は簡易的な処置のみでエンゼルケアが行われない病院や、死亡診断書がすぐに発行されない病院もあります。

そのため、もしもの際の対応については医師や看護師の説明をしっかりと聞いた上で必要な手続きや手配を進めていくことが大切です。

3-2.ご遺体の搬送手配を迅速に行う

多くの病院では入院待ちの患者もいるため、ご逝去後の搬送手配をなるべく迅速に行う必要があります。霊安室があるような大きな病院では半日〜1日程度の安置をお願いできることもありますが、基本的にはエンゼルケアが終わるまでの1時間程度で搬送を依頼しなくてはなりません。

葬儀社を手配する際は病院への到着時間についてもしっかりと確認を行い、待ち時間があまりにも長くなる場合には依頼すべきかどうかを再度検討するようにしましょう。

3-3.病院提携の葬儀社がいる場合がある

病院によっては提携している葬儀社がいる場合があります。もし事前に葬儀社が決まっていない状況では、そうした葬儀社に取り急ぎご遺体の搬送からお葬式の依頼をすることも可能です。

ただし、満足な説明も受けられないまま依頼をしてしまい、葬儀を終えた後で費用面のトラブルが発生してしまうケースもあります。

そのため、少しでも不十分な対応が見られたり、費用面を確認した際に納得が出来ない場合には、改めて別の葬儀社を探すといった対応を取るほうが安心です。

死亡宣告を受けた際は速やかに搬送の手配が必要です(まとめ)

病院で医師から死亡宣告を受けた際は死亡診断書の受け取りをする必要があります。また、感染症予防やご遺体の尊厳を保つためのエンゼルケアがおこなわれるため、その間に葬儀社へご遺体の搬送手配を依頼しなければなりません。

病院によって逝去時の対応は異なりますが、診断書の発行やエンゼルケアが終わるまでの概ね1時間程度の間で搬送手配をおこないます。

病院に出入りしている提携葬儀社に取り急ぎ搬送だけを依頼することも出来ますが、後のトラブルを避けるためにも、費用や流れなどはしっかりと確認しておくようにしましょう。

もしもの際に慌ててしまうことが心配な方は、事前相談などをおこない、依頼する葬儀社をあらかじめ決めておくと安心です。