知識
公開日 │ 2024年10月03日
更新日 │ 2024年10月31日
葬儀の「参列」と「列席」の違いとは?参列のマナー5つや参列できないときの対処法も解説
もくじ
今回は、葬儀の「参列」と「列席」の違い、葬儀における「出席」や「弔問」の意味合いについてご解説します。葬儀の参列マナー5つや参列できないときの対処法も解説するので、お役立てください。
1.葬儀の「参列」と「列席」の違い
葬儀の「参列」と「列席」の違いは、葬儀に参加する方の立場にあります。一般的に、「葬儀に参列する」と表現するのは、ご遺族やご親族以外の方の場合です。
「参列」は式に招かれた立場の方が使う言葉であり、式に出席することを意味します。「葬儀に列席する」と表現するのは、ご遺族やご親族など式の主催者側の方の場合です。
「列席」は式に招く立場の方が使う言葉であり、主催者側として式に出席することを意味します。「列席」という言葉には、ご遺族やご親族が列をなして出席するという意味合いがあります。
1-1.葬儀における「出席」や「弔問」とは
葬儀の「参列」の類義語として、「出席」や「弔問」という言葉があります。
「葬儀に出席する」という表現は、誤った使い方ではありませんが、「参列」や「列席」を使ったほうが丁寧な印象になります。
「出席」は日常的な集まりに参加することを示す表現であり、ややカジュアルな印象を与えてしまうからです。葬儀に参加するときは、式に招かれた側であれば「参列」を、式に招く側であれば「列席」という表現をお使いになるのが適切かと思います。
葬儀において使われることの多い「弔問」は、ご遺族を訪ねてお悔やみを述べることです。
一般的には、葬儀などに参列できなかった場合に後日、ご遺族や故人様のご自宅を訪ね、お悔やみを述べたり故人様を供養するためにお線香を上げたりします。よって、葬儀に参加するときに「弔問」をいう言葉を使うのは適切ではなく、不自然な表現であるといえます。
2.葬儀に参列するときのマナー5つ
葬儀に招かれた立場として参列するときは、ご遺族や他の参列者に失礼のないよう、マナーを守ることが大切です。服装、香典、お焼香、言葉、立ち振る舞い、すべてに細かく気を配り配慮するようにしましょう。葬儀に参列するときのマナー5つをご紹介します。
2-1.服装のマナー
葬儀に参列するときの服装は、喪服を着用するのがマナーです。喪服とは、葬儀で故人様への弔意を示すために着用する、黒や薄墨色の衣服のことを指します。
男性はスーツ、女性はスーツやワンピースを着用するのが一般的です。喪服は、黒や薄墨色の無地のデザインが基本となります。
ジャケットの下に着用するワイシャツは白色の無地のものを選び、ネクタイ、靴下、靴は黒色の無地のものを選ぶようにしましょう。ヘアアクセサリーやアクセサリーは外すか控え目なものにし、光沢のあるものは避けるようにします。
2-2.香典のマナー
葬儀に参列するときは、香典を持参します。 香典とは、故人様にお供えするお花やお香に代わる金銭のことです。葬儀の香典の金額相場は、故人様との関係性や式の種類などによって変動します。
香典を持参するときは、不祝儀袋にお札を入れて、袱紗(ふくさ)に包んで受付でお渡しします。お通夜と葬儀の両方に参列する場合は、お通夜の際に香典をお渡しするのが一般的で、葬儀では持参しなくても構いません。
お焼香のマナー
葬儀で参列者は、お焼香を行います。 お焼香とは、故人様の前でお香を焚き、参列者の心と身体を清め、拝む儀式のことです。お焼香の一般的なマナーは、以下のとおりです。
- お焼香の順番が回ってきたら祭壇に進み、ご遺族に一礼をする
- 焼香台の前まで歩き、祭壇に向かって一礼をする
- 右手の親指・人差し指・中指の3本で抹香(まっこう)をつまむ
- つまんだ抹香を目の高さまで持ち上げ、指をこすりながら香炉の中に落とす
- 1〜3回ほど繰り返す
- 祭壇と遺影の方を向いたまま、少し後ろに下がりご遺族に一礼し席に戻る
お焼香のマナーは、宗派によって異なる場合があります。参列者が多いときは簡略化するなど、柔軟に配慮することも大切です。
2-4.言葉のマナー
葬儀に参列するときは、以下のような忌み言葉や重ね言葉を使わないように気をつけましょう。
- 忌み言葉…死亡、生きていた頃、苦しい、消える、など
- 重ね言葉…ますます、度々、再び、など
忌み言葉や重ね言葉は、不幸を連想させてしまいます。「死ぬ」や「生きる」など生死に関する直接的な表現は避け、「ご逝去」や「ご生前」に言い換えるようにしましょう。 故人様のご冥福を祈り、ご遺族に不快な思いをさせてしまわないよう配慮することが大切です。
2-5.立ち振る舞いのマナー
葬儀に参列するときは、声のトーンを抑えて私語は控えるのはマナーです。開始時間には遅れないようにし、携帯電話は通知音が鳴らないよう、マナーモードにしておきましょう。ゆっくりとした所作を心がけ、落ち着いた立ち振る舞いができるよう意識することが大切です。
3.葬儀に参列できないときの対処法
葬儀に参列できないときは、他の方法で弔意を示します。弔電や供花を送ったり、後日弔問に伺ったり、代理人に香典を託したりすることを検討しましょう。
葬儀に参列できないときの対処法をご解説します。
3-1.弔電を送る
弔電とは、葬儀に参列できないときに故人様やご遺族にお悔やみの言葉を伝える電報のことです。電話やインターネットから申し込みができるため、突然の訃報を受けたときも迅速に対応できます。手紙やメールよりもフォーマルな形式で、弔意を示すことができます。
3-2.供花を送る
供花とは、故人様のご冥福を祈るためにお供えするお花のことです。 故人様への哀悼の意を示すとともに、葬儀の斎場を華やかにお飾りする役割もあります。
供花は、葬儀社に連絡をし手配するのが一般的です。菊やユリなど、白を基調とする花を送るようにしましょう。
関連記事
3-3.弔問に伺う
葬儀に参列できなかった場合は、後日、ご遺族や故人様のご自宅に弔問に伺い弔意を示すこともできます。 弔問する際は喪服ではなくダークカラーの平服を着用し、手土産ではなく供花や供物を持参しましょう。
弔問に伺うときは必ず事前にご遺族に連絡をし、アポイントメントを取るようにします。ご遺族が弔問を辞退される場合は無理に伺おうとせず、ご意向を尊重することも大切です。
3-4.代理人に香典を託す
葬儀に参列できない場合、参列できる代理人に香典を託すこともできます。 代理人は故人様やご遺族と親しい関係性の方を選ぶのが望ましいですが、難しい場合は、どなたに託しても構いません。
代理人に香典を託すときは、ご自分で参列しお渡しする場合と同じように、適切な金額を不祝儀袋に包むなど、香典のマナーを守るようにしましょう。
葬儀の「参列」と「列席」の表現の違いを知り適切な使い方をしよう(まとめ)
葬儀に参加する際に用いられる言葉に、「参列」と「列席」があります。どちらも葬儀に出席する旨を表現する言葉ですが、同義ではありません。
一般的に、「参列」はご遺族以外の方が葬儀に出席するとき、「列席」はご遺族やご親族など葬儀の主催者側が葬儀に出席するときに使います。
「参列」は葬儀に招かれた立場である場合、「列席」は葬儀に招く立場である場合に使用すると意識すると、わかりやすいかもしれません。
葬儀に招かれた立場として参列する場合は、故人様のご冥福を祈り、ご遺族の方に弔意を示すことが大切です。参列者としてのマナーを守り、ご遺族に失礼のないよう気をつけましょう。