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公開日 │ 2024年03月28日
更新日 │ 2024年06月04日
家族葬に参列できるのはどの範囲まで?起こりうる3つのトラブル
もくじ
そもそも家族葬という言葉自体の定義が非常に曖昧な部分があり、葬儀の方向性を決めていく中で困惑されてしまう方も多くいらっしゃいます。
そこで今回は家族葬に関する基本的な考え方や参列の範囲などについて詳しく解説をいたします。
また、家族葬という形式を選択することによって起こりうる重大なトラブルについても3つの項目に分けてご紹介しますので、葬儀の形式選びに迷われている方は是非参考にしてみてください。
1.家族葬とは?
家族葬とは広く訃報を知らせるのではなく、故人の家族や近親者を中心としたごく小規模なお葬式にすることを指します。
大人数の参列者への対応に追われることがなく、故人との最後のお別れの時間をゆっくりと過ごすことができるのが特徴です。
近年は家族葬の需要が高まっており、2022年12月に冠婚葬祭総合研究所が発表した「ポストコロナ研その後~『第6回葬祭等に関する意識調査』報告」のアンケート内容によると、希望する葬儀形態について「家族や親族だけで行う葬儀にしてあげたい」と回答した方が59.9%とおよそ6割を占めるという結果になっています。
さらに、昔と比べて積極的な近所付き合いや会社内での繋がりが薄くなった現代においては、そもそも葬儀に参列してもらいたいと思う関係の方々が少なくなってきており、また、高齢で参列が難しいという方も増えてきているという事情もあります。
そのため、家族葬を考える方が今後も増えていくとすると、将来的にはそれがスタンダードなお葬式の形式であるという認識になっていくことは十分にあり得るでしょう
2.家族葬に参列する範囲について
家族葬という言葉だけをみると、「家族や親族以外は参列できないもの」と思われがちですが、決してそのようなことはありません。
状況によっては、故人と仲の良かった友人や、近所でお世話になった方など、親族以外で参列がある場合でも家族葬として扱われることもあります。
そのため、純粋な身内だけで執り行う5名程度の家族葬から、30名程度の参列者が見込まれる家族葬というのも十分にあり得るでしょう。
ただし、訃報を知らせる範囲が広がれば広がるほど、予期せぬ参列者の方が当日に来られてしまうという状況にもなりかねないため、あくまで家族葬として近しい方々だけでのお別れをしたい意向を事前にしっかりとお伝えしておく必要があります。
3.近しい親族以外の方が家族葬に参列するケースとは?
3-1.当日に来れない親戚の代理で出席する
民法上の定義では、六親等内の血族と三親等内の姻族がいわゆる「親族」という扱いになります。
ですが、その括りで該当する方が全員来られるケースは稀で、一般的には故人の兄弟や叔父・叔母、いとこ、甥・姪といった関係性など、生前中に何かしらの親戚付き合いがあった方が参列することが多いでしょう。
そうした関係の方でも遠方に住むようになってしまっていたり、ご高齢になり持病などの影響で移動が難しい場合は式への参列が叶わないことがあります。
その際は、あまり顔を合わすことのなかった遠縁の親族やそれに準ずる関係の方が式に参列することもあり得ます。
3-2.遺族から直接声を掛けられた
故人の生前中から特に懇意にされていた友人や仕事仲間にあたる方がいる場合、たとえ家族葬であっても式への参列を依頼されることもあるでしょう。
その際はあくまで遺族から直接声が掛かって参列するという運びとなるため、自身の周りの関係者へ勝手に訃報を知らせて参列を呼び掛けることは避けなくてはなりません。
どうしても最後のお別れに立ち合いたいと考えている方が別でいる場合は、必ず遺族に対してその旨をご相談した上で参列してもらってよいかの判断をするようにしましょう。
4.家族葬で起こりやすい3つのトラブルについて
4-1.予想以上に参列者が来てしまった
家族葬は訃報を限られた方々だけに知らせる、もしくは葬儀の日時を伝える際に「弔問を辞退申し上げます」といった断りの文言を添える方法を取られる方がほとんどです。
しかし、中にはその訃報を聞いた方から別の方へ勝手に広まってしまったり、弔問辞退の意向が適切に伝わらないこともあるでしょう。
結果として、葬儀の当日に予想以上の参列者が来てしまったというトラブルになる可能性もあります。
もちろん式に参列をしてもらう以上は連絡すること自体を避けるのは難しく、そうしたリスクをゼロにすることは出来ませんが、例えば「亡くなった故人の強い意志があったので…」といった理由や家族葬に至った経緯を含めてしっかりお伝えしていくことで、予想以上の参列者が来てしまう可能性を低くすることが出来ます。
4-2.家族葬に呼ばれなかった方からの不満
家族葬は親しい間柄の方々が中心となり、限られた人数でのお式が執り行われることが多いため、たとえ親類にあたるような方でも状況によっては参列をお断りする、もしくは亡くなった事実自体をすぐに知らせないといったことが起こり得ます。
そうした場合に、後々になってから最後のお別れに呼んでくれなかったことに対する不満をぶつけられてしまう可能性があるでしょう。
そのため、先ほどの予想以上の参列者が来ないようにするための対策と同様に、 家族葬で執り行うことに至った背景を明確に説明できるようにしておくといった対応が必要になってきます。
また、もしそれも難しい場合には、式がおこなわれるまでの間で故人との面会の場を設けたり、参列の規模を今一度見直すといった対策を講じることが大切です。
4-3.葬儀を終えた後に自宅への訪問者が絶えない
生前の間に様々な方面で広く交流関係があった方が亡くなって家族葬をおこなった場合、葬儀を終えた後に自宅へお線香を上げにこられたり、お香典を持参されたりする方がお見えになる可能性が高くなります。
そのため、せっかく葬儀を終えてひと段落ついたと思っても、次々自宅へ来られる参列者の対応に追われて気が休まらないといった状況を引き起こしかねません。
そうしたケースにおいては後日に故人を偲ぶためのお別れの会などを開催して、一度に参列いただける機会を設けるといった方法もあります。
葬儀の形式を決める際は何が最適なお別れの方法となるのかを含め、家族間でしっかりと話し合うことが大切だと言えるでしょう。
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家族葬に参列できるのはどの範囲まで?起こりうる3つのトラブル(まとめ)
家族葬は亡くなった故人からみたお連れ合いや子供達・孫などの他に、いわゆる親戚にあたる関係の方々も含めた参列になるケースがほとんどです。
それ以外の関係の方々にはあらかじめ参列をお断りする通知をするか、全く知らせずに葬儀を終えた後でお知らせをされることが多いでしょう。
ただし、当日に来れない親戚の代理で参列をされる場合や、遺族から直接声が掛かっている友人などがいらっしゃる場合には参列をしても差し支えはありません。
近しい方々を中心としたお別れができることもあり、年々増えてきている家族葬ですが、状況によっては参列者側の不満の声を直接受ける結果となり、トラブルの元となる事象が発生する可能性もあります。
形式を選ぶ際にはそうした事柄を親族間でしっかりと相談した上で方向性を決めていくことが大切です。